昨今、賃貸併用住宅が注目を集めています。住宅展示場などを覗いてみても必ずといっていいほど賃貸併用仕様のモデルハウスがあり注目度の高さがうかがえます。お住いの建て替えやリフォームをご検討されているようでしたら、賃貸併用住宅をご検討されてみてはいかがでしょうか。
賃貸併用住宅の最大のメリットは家賃収入を得られるという点です。賃料は不動産の売買価格などに比べると大きな変動が起こりづらいため、比較的安定した水準で収入を見込むことができます。ローン返済の財源とすることはもとより、将来、リタイアした後の生活基盤として検討する方もたくさんいらっしゃいます。
居住部分に掛かる住宅ローン借り入れについては、住宅ローン控除を受けることができます。また、賃貸部分に掛かる住宅ローン金利や取得費用、管理上の費用などは経費となるため所得税の軽減にも繋がります。将来相続が発生した場合も、賃貸部分については不動産の評価を低く抑えることが出来るので相続税軽減の効果があります。
賃貸併用住宅に限ったことではなく、全ての賃貸経営において言えることです。入居者が退去した後は、リフォームやクリーニングを実施したうえで、次の入居者を募集することになりますが、この間は賃料収入を得ることができません。タイミングによっては次の入居者がすぐに見つからない場合もあり得ますので、退去が決まったら早めに不動産管理会社などに相談しておくと良いでしょう。また、一般的に単身者向け物件では2~3年、ファミリー向け物件でも4~5年程度で入居者の入れ替わりがありますので、予めこれを見越して計画をするようにしましょう。
住まいと賃貸物件が別々の場合は、自主管理でもなければ直接入居者と顔を合わせることはありませんが、賃貸併用住宅の場合は壁を介して隣り、あるいは上下に賃借人が暮らしています。
ゴミの出し方や、騒音の問題など些細なことでもお互いが気まずくなることもありますので、建物の構造やオーナー居住部分と賃貸部分の接する部分の間取りに工夫をすることや、しっかりとした賃貸管理会社に管理を依頼することをおすすめします。
1、2 階が住まいで、3 階にワンルームの賃貸が2つある1番スタンダードなタイプです(1 階が賃貸で2、3 階が住まいという場合もあります)。賃貸が複数に分かれているため、リスクを分散できます。
2 世帯住宅で利用していた住まいをリフォームすることで、片側を賃貸として使用するタイプです (2~4LDKが2つあるタイプが多い) 。ゲストハウスとして活用しながら、収入を得る手段にもする場合が、このタイプの住宅には多くみられます。
1 棟マンション型で、自宅が1 階もしくは最上階にあるタイプです。居住用部分の割合が少なく住宅ローンが利用できない物件も多いので、住宅ローンで購入を検討されている方は注意が必要です。その分、賃貸部分を多く取ることができ収益性が高く安定性もあるので、資産運用としては魅力的です。
1棟マンション型で、自宅が1階もしくは最上階にあるタイプです。居住用部分の割合が少なく、住宅ローンが利用できない物件が多いので、住宅ローンで購入を検討中の方は注意が必要です。賃貸部分は多く取れるため、収益性が高く安定性もありますので魅力的です。
ビルの最上階や上層階といった複数のフロアが居住用になっているタイプです。全体に対して居住用部分の割合が少ないので、マンション型と同じく住宅ローンを利用できない物件が多いのが難点です。居住用以外の部分を賃貸として利用できるので、立地や条件によっては大きな収益を狙う事も可能です。
将来、自分の店を開きたいという希望がある方にふさわしいタイプです。地域の状況や駅からの距離によっては、店舗賃貸として大きな収入を得られる可能性があります。
工場や作業所と自宅をを併用しているタイプです。賃貸物件として店舗に改装したり、細かく区切って数戸のワンルームを入れることも可能です。
※用途変更に関しては、法令による制限があり対応できない場合があります。
ハウスメーカーや工務店に相談するのも一手ですが、不動産仲介会社を利用することを選択肢の一つに加えてみてはいかがでしょうか。不動産仲介会社はハウスメーカーや金融機関との付き合いも深く、会社選びや建築プラン、御見積に対して客観的なアドバイスをすることができます。また、ファイナンスについても賃貸併用住宅に積極的に取り組んでいる金融機関の情報を適用できる場合もあります。さらに本業である賃貸募集業務の立場から、賃貸部分について、魅力的で空室率が低くなる間取りなど、具体的な提案を求めることも期待できます。