住まいに望む条件は人それぞれですが、加齢とともに優先順位は変わってくるものです。老後の生活を見据え、利便性の高い立地を希望する人が増えています。
シニア世代が住み替えを考える大きなきっかけ(住み替えのきっかけ・タイミング) となるのが、加齢にともなう健康不安。仕事や子育てから解放されてシニアライフを楽しもうと思っていても、足腰が衰えて体力が低下すれば、これまでのように自由にあちこちに出かけることが難しくなります。レジャーどころか、食料品や日用品の買い出し、通院すらできなくなれば、日常生活はと ても不便なものになってしまうでしょう。
そんなシニアに対して、なんでも身近にそろっている利便性の高い住まいへの住み替えが人気を集めています。たとえばバス便や、駅まで十分歩かなければならない一戸建ては移動が大変で、出かけるのがおっくうになりがち。一方、駅から近いマンションでならどこに行くにも便利で、近くにショッピングセンターや病院、役所などがあれば、さらに安心です。
利便性のいい場所にある住まいは自ずと家賃や購入費用が高くなるため、望むような広さや間取りが確保できないこともありますが、便利な暮らしから得られる安心感はそれ以上に大きいもの。むしろシニア世代になるとコンパクトな住まいを望む傾向があるので(コンパクトな住まい)、 広くなくても便利な立地の住まいはシニアに適していると言えそうです。
住み替え先として、戸建てにするかマンションにするか悩む方が多いことでしょう。利便性を考慮すると、なおさら迷います。それぞれのメリット、デメリットから自分にとってどちらにメリットが多いかを比べてみましょう。
マンションのメリット
1|常駐の管理人がいる
2|専有部、共用部に段差が少ない
3|エレベーターがある
4|首都圏に近い立地から郊外まで幅広く選択肢がある
5|戸締りが簡単
6|集合住宅のため室内の温度差が少ない
マンションのデメリット
1|上階や隣室との騒音などのトラブルの可能性がある
2|リフォームや改築が自由にできない
3|家賃、管理費、駐車場など毎月ランニングコストがかかる
4|ペットが飼えないなどの制約がある
一戸建てのメリット
1|管理費がかからない
2|建物が老朽化して取り壊しても土地は残せる
3|建て替えや増築、改築が自由にできる
一戸建てのデメリット
1|修繕が全て自己責任
2|首都圏での土地探しが容易ではない
3|開口部が多いため、防犯が心配
4|2階建て以上の場合、階段の上り下りが大変になる
何を優先し、どのような生活がしたいのかによって、どちらが住み替え先として適切なのかは世帯によって異なります。マンションか一戸建てかは、ご自身のライフスタイルに合う方を選択するようにしましょう。
また、マンションや一戸建てなどこだわりが特になければ、高齢者住宅を選択するという手段もあります。入居条件や提供サービスが施設によって異なるため、よく確認を行って選択をするようにしてください。(高齢者住宅の種類)
近年は親世帯と子世帯の同居よりも近居が好まれる傾向であるということはこちらのページでも(住み替えの選択肢)ご紹介をしましたが、利便性という視点から近居について、どのような手段がとれるでしょうか。
同じマンション内の別室に住む
お互いのプライバシーを尊重しながらも、親世帯に介護が必要になった際には、子世帯の手助けを受けやすい距離感です。二世帯住宅だと、間取りの個性が強くなってしまい、売却する際のニーズが限られてしまいますが、マンションであれば、子世帯が転勤した場合には、空いた部屋を売却したり、賃貸に出すことも可能になります。親世帯が高齢者向け施設に入居したり、亡くなった場合にも、前述と同じ対応を行うことができます。
子世帯の近所のマンション(戸建て)に住む
地方の一戸建てを売却し親世帯が子世帯の住む都心部にマンションもしくは戸建てに住まうというのも1つの方法です。近所に住むことにより、週末は家族揃って食事を一緒にできるようになったり、子世帯に小さな子どもがいる場合は親世帯に任せることも容易になり安心も高まります。また、将来的に親世帯と子世帯の住居を交換して住まうこともでき、ひとつの住み替え成功例としても挙げられます。可能性が高いようであれば、広めの住居を選択することも視野に入れてみ ても良いのかもしれません。
利便性の高い住まいと言ってもひとくちには言えず、その世帯によっての「利便性の高さ」がそれぞれあります。夫婦間、子世帯ともよく話し合い、将来どのような暮らしをしたいか目的や目標を明確にしておくと、いざ住み替えを行う際にスムーズに事が運びます。
家族の間だけでは解決が難しいことに関しては、専門家や不動産仲介会社などに相談を持ちかけてみてください。
大成有楽不動産販売でも、このような住み替えに関するご相談をお受けできます。お近くの店舗窓口や、メールなどからぜひご相談ください。