2019.02.21
相続で大切なのは、(1)争族(2)節税(3)納税の3点と言われています。
相続でもめて遺産分割協議の合意ができないと、控除や特例が適用されないこともありますので気をつけましょう。
財産を家族に残そうと思っていても、家族の間で争いがおこると、国が定めた控除や特例を効率的に取り入れることができず、結果的に、家族にとって、支払わなくてもよいお金を支払ったり、手数料がかかってしまうことにつながります。また、気持ちのうえでも、家族間に精神的な遺恨を残し、今後の付き合いが無くなるなど、今後の人間関係にも関係してきますので、家族の争族対策は、相続において一番重要だと考えられます。
子どもたちがまだ小さく、家族一緒に生活していた頃と同じような環境で相談ができると思っていると、それもまた争族になる原因のひとつになるので気をつけましょう。子どもたちが、それぞれに家族を持つ立場になると、配偶者や配偶者の親類縁者もおり、家族だけのときとは事情が異なります。親子といっても、独身時代とは違った問題が発生する可能性も想定しておく必要があります。
また、相続となる財産の種類も事前に把握しておくとよいでしょう。例えば、現金以外に、不動産など、分けるための下準備が必要なものがある場合は、どうすればいいか親の意向を事前に聞いておくことも大切です。もしも現金化して分ける場合は、時間も費用もかかりますから、そうしたことも含めた相談が必要になります。
もめやすい火種は、できるだけ早めに解決しておくなど、とにかくオープンに、風通し良く話をしておくようにしましょう。
節税は、生前贈与も含めて相談しておくと、よりスムーズに取り組めます。
家族が亡くなってから相続対策するよりも、お元気なうちに相談をして、さまざまな準備をしておくことは、税金にも大きな違いがでます。例えば、『毎月10万円までの非課税の生前贈与』や『教育資金の一部贈与』、『結婚・子育て資金の一括贈与』など、非課税枠も多々あります。同じく、『住宅資金贈与』についても、お子さま、お孫さま、ひ孫さまへ、継承していくご家族のために、話し合っていくことが大切です。
納税対策は、事前に把握して、準備しておくと安心です。
相続税は、相続が発生した日の翌日から10カ月以内に完了するよう定められています。また、相続税は、現金納付が原則です。
納税する期間内で、どのように支払いをするのか、あらかじめ準備しておくと安心です。例えば、相続した不動産を現金化して支払いをされる方も少なくありません。おおよその不動産の相場や、現金化するためにかかる期間などを、普段から、不動産メーカーに相談して、いざというときの相談窓口を持っておくとさらに良いでしょう。
まずは、相続税の計算方法を知り、不動産の財産価格をシミュレーションしておくことがおすすめです。そのためには、すべての財産や負債を調べて評価する必要があります。相続税の計算の仕方など基本的なことは専門家にまかせきりにするのではなく、家族間でも知っておいたほうがよりよい選択につながります。ただし、法令が改正されたり、解釈の仕方が違ったり、知識不足などから間違うことがあるかもしれません。まずは、理解度を深めるためにも、お仕事の休みの日などの時間を作って、不動産会社や税理士などの専門家をたずねてみましょう。相続する前に、どんな資料を揃えておけばいいのか、どんな話をしておけばいいのか、まずは、一般的なアドバイスを受けてみましょう。その後で、わが家の状況を説明するようにすると、一般的な知識を踏まえたうえで、家族に適した相続対策を選ぶことができるでしょう。