春眠暁を覚えず。この季節は、体も冬から春へと移行中。心身がリセットを必要としています。今回ご紹介するのは、住まいの中に今話題の人気上昇中「ヌック」と呼ばれる息抜き小空間を作るアイデア。リフォーム不要・ワンルームOKでできる楽しい小技をご紹介します。
注目を集める、憩いの小スペース「ヌック」。
春は眠い…のに、意外にも不眠になりやすい季節。寒暖差による自律神経の乱れや花粉やPM2.5などのアレルギー症状が出ること、さらには新生活のための引っ越しや転勤など環境の変化によるストレスがその主な理由です。その上、現代人はスマホやタブレットなどの長時間使用で常に睡眠不足ぎみ。ここらで疲れた体をいたわって、新生活に向けてリセットしたい! 実は今、そうした現代人にぴったりの、住まいの中にのんびり息抜きできるスペース「ヌック」を作ることがじわじわ注目を集めているのをご存じでしょうか?
半個室のヌックで、住み心地もセンスもアップ。
ヌックとは、スコットランド語の「neuk(ヌーク)」が語源。意味は「角、隅」です。こぢんまりとした居心地の良い空間を指し、一般的に広さは2~3帖ほど(※1帖は畳1枚とほぼ同じ広さ)ドアもなければ個室でもない、ほかの空間とゆるくつながっているスペースです。このヌックがあると住まいに「集中力アップ」「リラックス」ができる「空間のアクセント」が生まれます。ワンルームや家族が集うリビングの中でも、プライベートと仕事、勉強と遊びといった気分の切り替えが可能に。ヌックがあることで、居心地の良さがプラスされる上、住まいのセンスもアップします。
家族と一緒でも自分空間、キッズスペースにも。
たとえば、ダイニングやリビングでほっとひと息つきたいと思っても、家族と一緒では何となく落ち着かないことも。でも家族が集うリビングの隣にヌックを設ければ、ヌックでパーソナルスペースを尊重しつつ家族団らんの時間を過ごせます。あるいは部屋の一角をゾーニングしてヌックを作れば、自分だけの落ち着いた時間が過ごせる特別な場所が生まれます。一人暮らしならばヌックでリセット、読書や勉強に集中したい時にも利用できます。ドアがない半個室のヌックは、周りが見える、周りから見える状態でリラックスできる特別なスペース。目が届くのでキッズスペースとして使うのもおススメです。
賃貸でも簡単・手軽にヌックが作れる!
そんなメリットいっぱいのヌックを作るのは、とても簡単! ポイントは、「小さく区切る」「照明を変えるなどしてわかりやすくゾーニングする」の2つ。階段下などのちょっとしたスキマ、広すぎてスペースが余っているリビングやキッチン、あるいは廊下の一角などにベンチやソファ、椅子を置いてみましょう。それだけでヌックスペースに。さらに、カラーボックスを置けば半個室の出来上がりです。観葉植物やフロアランプでさりげなく空間をゾーニングしてみましょう。部屋を狭く感じさせることなく、独立感のあるスペースが生まれます。
ワンルームだって可能なリーディングヌック。
ワンルームでも大丈夫、工夫次第で手軽にヌックができます。たとえば、柱の出っ張りや掃き出し窓の前に座り心地のいい椅子と小さなテーブルを置いてみましょう。それだけで快適なヌックの完成です。「ウチにはヌックを設置できるような余分なスペースはない」という場合も、たとえばベッド兼ソファの両脇に背の高い棚、あるいは本棚を置いてみましょう。ステキな読書スペース「リーディングヌック」に早変わりです。
屋根裏、ロフト、押入れはヌックにピッタリ。
屋根裏やロフトもヌックに最適です。家具を置くだけで立派なくつろぎ空間に。押し入れやクローゼットはふすまやドアを外せば、即席ヌックに変身。クローゼットの中に重さに耐えられるカラーボックスを横に並べてベンチ風にしたり、押入れの上部にクッションや座布団を置いたり、照明を取り付けて雰囲気を変えれば、仮眠スペースにもなりますよ。
ほんの少しの工夫で、住まいにくつろぎのリセットスペースが完成。ぜひヌック効果で存分にリフレッシュして、新生活をイキイキとスタートさせましょう。