9月は防災シーズン。防災グッズや災害用リュックをいざという時に素早く取り出せるようにしておくには、住まいのどこに収納するべき? 今回は防災グッズの収納ポイントのコツと、避難時の荷物を減らして身軽にする身近な多機能便利アイテムをご紹介します。
避難用リュックは玄関近くに収納
防災グッズの収納で最も大切なのは、普段から取り出しやすい場所に置くこと。たとえば災害用リュックは、避難のしやすさから玄関近くに収納するのがおススメです。同居の家族がいる場合、家族全員のものを玄関近くに置くのがベター。クローゼットや物置の奥、あるいは上のほうよりも、棚の下段にボックスに入れて収納しておくと持ち出すのも簡単です。災害時には素早くサッと取り出して、身軽に行動できることが何より重要です。
防災用品を水ポリタンクの中に保管
災害時の必需品の収納場所として、水ポリタンクを活用するという画期的な方法もあります。開口部が広い水ポリタンクの中に防災用品を入れて保管すれば、水濡れも問題なく、水害などでも威力を発揮します。ポリタンクに詰めると重くて持ち運びが不便という人には、キャスターつきポリタンクが便利。災害時の水の運搬に活躍します。
もう一つのポイントは、「備えの分散」
防災用品の収納でもう一つ重要なのが「分散配置」です。まとめて一つの場所に収納していた場合、災害の状況によっては収納場所まで行くことができない、収納場所の扉が開かなくなるなどの事態に陥ることも。防災グッズの置き場所は、玄関のほかに寝室、倉庫、クローゼット、車などに分散させておきましょう。たとえば小型のコンテナに防災グッズを入れておくと、災害時は椅子にもなります。中身を出してビニールを被せると、簡易トイレにも早変わりします。
懐中電灯でルームライトをつくる
懐中電灯は、災害グッズの定番アイテム。その照らす範囲が狭い光をちょっと工夫すると、災害時にお部屋を照らすルームライトになります。方法は簡単。まず懐中電灯を立てます。安定しない時は空き容器などにガムテープで固定します。握り手が細い懐中電灯の場合、トイレットペーパーの芯の部分に入れると固定できます。長い懐中電灯ならば2個重ねて底をふさぎましょう。立てた懐中電灯の上に、水を入れたペットボトルを乗せて、下から照らせば淡い光を放つルームライトに。スーパーの袋を被せて吊るすと、ランタンの代わりにもなります。また100円ショップなどでも手に入る、蓄光顔料を使ったシールを冷蔵庫のドアや家具の目立たない部分に貼っておくと、夜間に光って目印に。停電時には、小さな光がホッと安心を与えてくれますよ。
災害時に何通りも使える「粘着テープ」
ところで、避難リュックの中が、実は防災グッズでパンパン!…なんてことはありませんか? 重すぎるリュックでは、いざという時に身軽に動くことができません。減量のために、1つで何通りもの使い道があるアイテムを上手に活用しましょう。たとえば、よく知られているのが、ビニールのゴミ袋やラップ。そのほかに、何通りにも使える必須アイテムとしてご紹介したいのが、梱包用の粘着テープです。特に、強度があって用途が多彩な布テープは、防災備品におススメです。布テープは梱包用に留める、貼り付けるといった本来の使い道のほか、たとえばケガの手当にも使えます。清潔な布を傷口にあて、その上から粘着テープできつく巻けば止血に。また、骨折したときにも、添え木を患部にあてて粘着テープで巻き付けて固定することができます。油性ペンで文字を書き込んでメモ・名札の代わりにもなり、避難時に布テープに伝言を書いて、ドアなどに貼り付けておくこともできます。服や靴の補修の応急処置にも使えます。
粘着テープは、芯を外して潰して保管
粘着テープの難点といえば、かさばって避難用リュックの中でスペースを取ってしまうこと。そこで、少しでも小さくする方法をご紹介しましょう。粘着テープに両手を当てて、体重をかける位置を変えながら潰していきます。何度かこの動作を繰り返すうちに、芯とテープの間に隙間ができてきます。この隙間に指を入れ、隙間を徐々に広げていくと芯が外れます。芯が外れた状態で再びテープを潰して、太めの輪ゴム2~3本で留めておきましょう。
緊急事態はある日突然やって来ます。普段から閉じ込められた時などに自分の居場所を知らせるのに役立つ防犯用のホイッスル、歯ブラシやティッシュなどをポーチなどに入れて身に着けておくのもおススメ。もしもの時にスムーズに行動できるよう、日頃から対策をしておきましょう。