最近、冷蔵庫の冷え方が弱くなった?でも、レベルを「強」にするのはちょっと待って!冷蔵庫の夏の一日の電力量はエアコンの次に大きいのです。今回は冷蔵庫内のカビ対策などの盲点や、もっと効率よく食材を冷やす簡単で上手に節約するアイデアのご紹介です。
食材が冷気の吹き出し口をふさいでいる
このところの光熱費の高騰は、本当に頭が痛いですよね。資源エネルギー庁によると、家庭の夏の一日の電力消費量のうち、エアコン(34.2%)に次いで大きいのが冷蔵庫(17.8%)。その冷蔵庫が夏になるとなんとなく冷えない一番の原因が、食材の詰め込み過ぎです。以前にもこのコラムでお伝えしましたが、冷凍室はギッシリ詰めるほうが良く冷える一方、冷蔵室は全体の7割の収納量がベスト。冷蔵室がパンパンだと、庫内の冷気の吹き出し口部分を食材がふさいでしまいます。効率的に冷やすためには庫内に冷気の通り道をつくって循環させる必要があります。ゆえに食材と食材の間にスペースをつくることが何より大切なのです。
冷蔵庫の中でも結露でカビが生える!?
冷蔵室が食材でパンパンだと、別の問題も引き起こします。それは結露です。結露の水分で冷蔵庫の金属部分が錆びたり、冷凍室内が凍りついたりすると、冷蔵庫本体の不具合に繋がってしまうことも。さらに結露の水分で冷蔵室内にカビが発生!カビはなんと、「5℃」でも成長するのだとか。考えてみれば冷蔵室内には、気づかないうちにこぼれた調味料や肉・魚の汁、野菜の水分など、カビの栄養がどっさり。庫内に汚れを見つけたら、消毒用エタノールなどでしっかり拭き取りましょう。味噌の容器やストックをいれたタッパーなどは、汚れを丁寧に拭き取ってから冷蔵室に戻すようにしましょう。
ドアパッキンの汚れが結露や冷気漏れに
ドアのパッキンが汚れている場合も、結露が起こります。加えて冷蔵庫のドアがピッチリ閉まらない原因にもなります。パッキンの汚れは、エタノールをしみ込ませた綿棒でこすれば落とすことができます。またドアパッキンは消耗品のため、緩んでいる可能性も。試しにドアに名刺をはさんでみましょう。落ちてきたらパッキン交換のタイミングです。
上部、側面のスペースで放熱効率アップ
冷蔵庫の側面や上部は、触るとほんのり暖かいですよね。冷蔵庫内が冷却されるのは、この「放熱」があるからなのです。冷蔵庫の上部にできるだけ物を置かない、側面は左右それぞれ1~2cm以上の間隔を空けて放熱効率を上げるだけで、年間45.08kWhの削減、約1400円の節約(1kWhあたり31円の場合)にもなります(省エネルギーセンター調べ)。
開閉回数&時間を短縮、節約アイデア
冷蔵庫はドアの開閉のたびに冷気が逃げて、庫内の温度が下がり、大きな電力を必要とします。そこで、簡単一手間のアイデア。庫内の在庫メモを作って、冷蔵庫のドアに貼っておきましょう。食材を探す手間が省けてとても便利です。ムダな開閉がなくなれば、その分省エネ効果も上がります。使う頻度の高い食材を、庫内の自分の目線の高さの位置に置くのもおススメ。市販のビニール製冷蔵庫カーテンは、ドア開閉時の冷気の流出を抑えてくれます。冷蔵庫カーテンをわざわざ購入しなくても、梱包用のエアパッキンを冷蔵室サイズにカットして、さらに縦半分に切れ目を入れて両面テープで貼りつければ十分代用できますよ。
アルミホイルで冷凍スピードがアップ
冷凍室も、もっと冷やせます!おススメの方法は、アルミホイルを冷凍室内に敷くだけ。冷凍スピードがアップして、ドア開閉時の庫内温度も上がりにくくなります。意外と使えるのが、金属製のお菓子の空き缶です。熱伝導率が高く、食材収納用のトレイとして活用すると、奥のものを取り出すのに便利な上、庫内の冷却効果が安定します。急速冷凍させたい時は、食材を冷凍庫の底に入れて、凍った保冷剤を食材の周囲に密着させましょう。この方法だと周りの冷凍食品に霜がつかず、消費電力も節約できます。
夏は、お料理の手順にも一工夫を。アツアツで食べたいものは最後に作って、冷やしておいしいおかずから先に。室温であら熱が取れたところで冷蔵庫に入れると、短時間で冷やすことができて省エネになります。この夏は冷蔵庫の活用に一手間加えて、涼しく、おいしく節約上手に過ごしましょう。