エアコンの温度設定OK、室温快適! でも、なんだか体がだるいし頭痛もする…。原因の一つが「低酸素症」(酸欠状態)です。実は夏こそ「換気」が必要なのです。今回は、エアコンを運転したまま節電もできて効果的に換気する、お得な「小技」のご紹介です。
換気しないとエアコンで汚れた空気が住まいに循環。
冬は、暖房時に換気を意識します。でも夏は? 「だってエアコンを回せば換気できているのでは?」一部の機種を除いて、エアコンで換気はできません。室外機のファンの目的は、室内の空気を循環させる際に生じる廃熱の排出です。換気をしないと、私たちの呼吸によって、空気中の二酸化炭素量は増え続けます。汚れた空気をずっと室内に循環させていることになり、低酸素症を招くことも。低酸素症は自律神経も不安定にします。
夏の換気は有害物質・ニオイ排出・湿気対策にも。
そもそも換気とは、室内の汚れた空気と新鮮な空気を入れ替えること。室内の空気には、人間が吐き出した二酸化炭素や水分、カビ・細菌・ウイルス・ホコリ・ダニの死骸やフンなどの有害物質や汚染物質が漂っています。換気することで、酸素を取り入れることができるほか、エアコンの風の流れに乗って室内を浮遊しているこれらの有害物質やこもったニオイを外に出して、代わりに酸素を取り入れることができます。湿気対策にもなります。気温や湿度が高くなってくると、住まいの中のハウスダストが増加。その結果、頭痛・めまい・吐き気・鼻炎・皮膚障害・呼吸困難などのシックハウス症候群を発症する可能性もあるのです。
エアコンをつけたまま換気で快適、さらに省エネ。
「夏の換気の必要性はわかったけど、せっかくエアコンで冷やした室内の空気に暑く熱を持った外気が混ざるのは、やっぱり嫌だなぁ…」。そこで、夏はエアコンをつけたまま窓を解放して換気! 実はこのほうがエアコンを止めるよりも省エネになるのです。窓を開けるたびにエアコンを止めると、起動時に負荷がかかって余分な電力が必要になります。エアコンが室内の空気を循環させてくれますから、つけたまま窓を開けると効率良く換気ができる上、節電につながります。この時エアコンの設定温度を少し上げてから換気すると、室内と屋外の温度差が少なくなって、より消費電力を抑えることができます。
こまめに短時間の換気で、室内の温度をキープ。
換気のタイミングは、1時間に5~10分程度で十分です。たとえば2時間に1回換気するよりも、1時間に5~10分程度、あるいは30分ごとに5分、また1時間に10分の換気を1回よりも1時間に5分の換気を2回行うなど、なるべくなら回数多くこまめに行うほうが効果的に換気できます。この時1回あたりの換気時間を伸ばさないように注意しましょう。換気時間が長くなると部屋の温度がキープできずに、エアコンに負荷がかかってしまいます。
開けるのは、エアコンから離れた位置にある窓を。
住まいのどの部分の窓を開けるかも重要です。換気する時はエアコンのある部屋の近くの窓を開けがち。ですがこれはNG。できるだけエアコンから離れた位置にある窓を開けましょう。エアコンに近い窓を開けると、屋外の熱い空気をエアコンが直接吸い込んで負荷がかかります。エアコンの吹出口が結露することもあり、余計な電気代が掛かる原因にもなります。
エアコンとキッチンの換気扇併用で、換気効率大。
さらに換気効率を高める方法が、エアコンと換気扇の併用です。エアコンを運転しながら、住まいの換気扇の中でも一番排気量が大きい、キッチンの換気扇を回しましょう。この時、換気扇の強さは「弱」に。冷房のロスを減らして、エアコンの消費電力を上げないための工夫です。エアコンとキッチンの換気扇を併用する時は、キッチンからなるべく離れた窓を開けるようにしましょう。キッチンに近い窓を開けると部屋全体の空気が換気されにくくなります。
最後に住まいに24時間換気システムがついている場合は、常に稼働させておきましょう。換気口を開けておくことも忘れずに。エアコンを運転しながら窓と換気扇を使って賢く換気して、体も、住まいも、エアコンも健康に!今年も暑い夏を上手に乗り切りましょう。