室内で過ごす時間が増える梅雨時。でも、食事中やリモートワーク中に座っていると、なんだか疲れる…。その原因は「座る高さ」にあるかも!? 今回は健康に大きく影響する重要な「差尺(さじゃく)」と、それを身近なものなどで簡単・手軽に調整する方法をご紹介します。
座った時の高さが不適正だと、危険!
最近はステキな家具がオンラインでも手軽に購入できるようになりました。特に輸入家具はセンスの良いオシャレなものが多いですよね。でもほとんどの椅子が、座面高(床から椅子の座裏面までの高さ)が高め。それは欧米人の体格の大きさ、また室内でも靴を履く生活様式が関係しています。椅子に座ることは自分の体を椅子に預けること、なのに椅子に座ったら足の裏が床につかず足がだるい。無意識のうちに片膝を上げたり、椅子の上で正座をしたり、足を組んでしまっていませんか? 姿勢が崩れれば体の疲労度は増します。体に合っていない高さの椅子をそのまま使い続けることで、体に重大な不調をきたす恐れもあるのです。椅子の高さだけではありません。テーブルの高さとのバランスが悪ければ、たとえば、前かがみになり、それが長く続くと猫背になります。背骨が自然なS字カーブを保てず、内蔵に負担がかかってしまいます。腰への負担も大きくなります。そのため肩こり、疲労感、緊張型頭痛、腰痛、血行不良による足のむくみなどの症状が出てしまいます。
簡単な計算で、理想の差尺値を算出
そこで。さっそく「差尺」のチェックです。差尺とはテーブルや机の天板の高さと、椅子の座面までの高さの差のこと。椅子の座面までの高さは、坐骨のあたる位置(座位基準点)が目安になり「身長×0.55」です。これを「3」で割った数字が差尺です。パソコン使用時は、ここから「2~3㎝」マイナスします。最適な差尺値は「28〜30cm」。差尺がこの値よりも「大きい」とテーブルが高すぎるか、椅子が低すぎます。逆に「小さい」とテーブルが低すぎるか、椅子が高すぎることを意味します。
椅子とテーブルの高さの簡単調節法
①椅子の場合
では最適な差尺値に近づけるための、簡単で手軽な高さの調整法をご紹介しましょう。手始めは、各人の体型に合わせて調整がしやすい椅子から。クッションや座布団を活用すれば、それだけで5〜10cmは高くなります。おススメはドーナツ型の円座。中央にくぼみがあって座りやすく、お尻がフィットして姿勢も良くなります。椅子ごと高くしたい場合は、椅子の脚の底部分にフェルトを貼りましょう。高くしたい分だけ重ねれば、微調整ができますし、床にも傷がつかずにすみます。それでも高さが合わない場合は、延長脚や継ぎ脚がおススメです。オンラインショップやホームセンターで購入できます。足置き台を使う方法もあります。適正な足置き台の高さは、「(椅子の座面の高さ)-身長×0.25」数値はあくまでも目安です。実際に座った位置を確かめながら、高さを調整しましょう。足置き台は市販品でなくとも、たとえば家にある空き箱に不要になった雑誌を載せるなどでも十分代用できます。
②テーブルやデスクの場合
テーブルの高さの調節は、延長脚や継ぎ脚が適用できるダイニングテーブルの場合、それらを使って高さを調整してみましょう。椅子同様テーブルの脚底にフェルトを貼っても良いでしょう。またリモートワーク用のデスクを昇降式やアジャスター付きのものにすれば、簡単に天板の高さを調節できます。中には天板の角度を調節することができるものもあります。リモートワークでダイニングテーブルを使っている、あるいは高さが変えられないデスクの場合は、机上ラックやPCスタンドを使用すると良いでしょう。
「肘を置いて90度」で、最終チェック
高さの調整が終わったら、自分の身体にフィットする椅子に正しい姿勢で座り、 腕を真っ直ぐに下ろしてテーブルに手を置きます。この時肘が90度になっているかチェックしましょう。90度未満であればテーブルが高すぎます。が、反対に90度以上の場合はテーブルが低い可能性があります。最終調整したら完了です。座って過ごすことの多い現代人にとって「高さ」は侮れません! 快適に整えて、梅雨の「おうち時間」を楽しく過ごしましょう。