冬の朝は、布団から出るのがつらいですよね。すっきり目覚められないのも悩み。冬の起床時は、血圧も急上昇しやすいので要注意! そこで今回は、冬の目覚めをラクにする、最適室温設定法や就寝時・起床時の工夫など、寝室環境づくりの簡単テクニックをご紹介します。
冬の起床時、寒すぎると体に負担が
私たちの体は就寝時に血圧が下がり、起床時に上がるようになっています。冬場は体温を逃さないよう体が血管を収縮させるために、血圧が上がりやすくなります。その上起床時は一日のうちで最も血圧が上昇しやすいタイミング。特に注意が必要です。冬は何もしなければ室温は10度前後まで下がります。寒すぎる寝室では布団をたくさんかけても厚着をして寝ても、寒い空気が呼吸を通して体に入ってきてしまい、肺が冷やされます。そうすると深部体温が下がりすぎてしまい、明け方に寒さで目覚めてしまったり、起床時に深部体温が上がりきらずに寝起きが悪くなったりするのです。
エアコン活用で、「布団からスルッ!」
寒い日に快適に目覚めるためには、「布団の中と外の温度差を小さくすること」が大切になります。そこでエアコンなどの暖房器具を賢く活用! ラクラク布団を抜け出すためのポイントは、寝室全体の足元付近に暖かい空気があることです。起床前から室内の「床付近」の温度をコントロールすると、血圧上昇も抑えられるとか。そのための冬の起床時に必要な最適室温は20~22℃程度、最低でも16℃以上。朝、最適室温で起床すると、冬でも一日中手足の皮膚温を高く維持できて、快適に過ごせるという実験結果もあります。寝る前にエアコンなどのタイマーを、起床1時間前に最適室温になるよう設定しましょう。エアコンの立ち上がり時の音が気になる時は、風量を弱めにしておくことをおススメします。
深部体温を下げて、体幹を冷やさない
そして、気持ちよく目覚めるためには、やはり「快眠」。質の良い冬の睡眠にも、寝室の暖かさは重要です。光熱費を少しでも抑えようと、寝具を重ねて寝る…残念ながら、これはNG! 重さで寝返りがしにくくなり、かえって睡眠の質が下がります。真冬は、寒さで筋肉が緊張して血行が阻害されます。寒いからと掛布団を何枚も重ねると、布団の重さで体が圧迫されてさらに血行が悪くなり、その結果、深部体温が下がりづらくなるのです。良い眠りのためには、寝具の中で体の表面が温まった上で、深部体温が下がるように熱が適度に放散される状態がベスト。寝間着は、保湿性や吸湿性が高く体を締めつけないものを選び、心身ともにリラックスできる状態で眠りに就きましょう。ただし、薄手の寝間着だと夜間に室温が下がった時や布団が剥がれた時に、極端に体が冷えて眠りが浅くなったり途中覚醒してしまったりすることも。やわらかい厚手の寝間着を着る、また腹巻などをしてしっかりと体幹が冷えないようガードした上で、手と足から放熱して深部体温を下げましょう。靴下は脱いで寝ましょう。
快眠のために、照明とカーテンにも工夫
寝室の照明は、眠気を誘う暖かみのある色がベター。青白い色の照明だと、睡眠ホルモンである「メラトニン」が減り、目が冴えてしまうこともあります。可能ならば冬は窓に厚手のカーテンを。暖かさを逃がさず、冷気の侵入も妨ぐことができて、野外の音もカットしてくれます。
朝の工夫で、目覚めスッキリ夜グッスリ
首、手首、足首など「首」とつく場所を冷やすと、体が冷えますよね。それらの場所は、肌の近くに血管が集まっているために外気温の影響を受けやすく、一度冷えると温めるのに時間がかかります。特に、朝は足元が冷えやすくなります。起き抜けにさっと羽織れるもの、特に肩から太ももまでを覆うガウンタイプなどで冷え対策をしましょう。寝起きに靴下を履くのは面倒だという人は、温かいボアや起毛タイプのスリッパやスリッポンを活用して、足の冷えを予防しましょう。 また朝起きたら、明るい光を浴びましょう。太陽光がベストですが、部屋の照明やスマホの明かりでもОK。起床時すぐにスマートフォンを見るだけでも、睡眠ホルモンの減少に効果があります。朝食に牛乳、バナナ、豆、アボカドなどアミノ酸(トリプトファン)が多く含まれている食品を食べると、脳が活性化。朝にアミノ酸を多く摂取すると、「目覚めスッキリ、夜はグッスリ」できますよ。
安眠で体力も気力も免疫力も向上させて、翌朝の目覚めもさわやか! 省エネにもなっていいことづくしです。ぜひラクラク起床できる寝室環境にして、この冬を元気に乗り切りましょう。