今回は、夏の終わりに必ずやっておきたいエアコンお手入れのわずかな一手間と、絶対にやってはいけないお手入れ法についてご紹介します。
お手入れは「冷房シーズン直後」が重要
しばらく休ませていたエアコンを稼働させた時、エアコンから出てくる風がなんだかカビ臭い!? それはエアコン内部にすでにカビが繁殖しているサインです。でも、うちのエアコンは停止する時にお手入れモードの「内部クリーン」機能が自動運転していたから大丈夫…ではないです。エアコン内部の構造はかなり複雑。「内部クリーン」では内部の結露の乾燥まではできません。気づかないうちに、いたるところに結露が発生している可能性が高いです。夏の間エアコンは、冷房運転で室内の空気を取り込んで冷やして吐き出します。エアコン内部には室内の空気と一緒に吸い込んだホコリが少しずつたまり、そのホコリに空気を冷やす際に発生する水分が付着してカビが発生します。これを放置したまま冬にエアコンを使用すると、カビ臭い風が出てきます。それに、9月上旬から10月上旬は「秋の長雨」シーズン。カビの繁殖に好条件です。冬にエアコンを快適に使用できるようにするためには、この時期にエアコン内部をしっかり乾燥させておくことがポイントになるのです。
暖房で徹底的に内部を乾燥させること
そこで、シーズンの終わりにぜひやっておきたいのが次の作業です。よく晴れて湿度の低い日に、窓を全開にするなど十分な換気をします。次に30度以上の「暖房」「風量最大」で最低3時間放置しましょう。カビを徹底的に予防するためには送風モードでは不十分です。特にタイマーで冷房を使っていた場合、エアコン停止後に送風または温風で内部を乾かすお手入れモードに自動で切り替わる機能が作動しないことが多いです。短時間で内部をしっかり乾燥させたいならば、「暖房」モードで! この一手間が、カビや雑菌の繁殖の予防になります。
自力でやってよいお手入れはどこまで?
エアコンを自力でお掃除できるのは、エアコンの本体カバー・フィルター・風向きルーバー・吹き出し口のみです。そもそもエアコンの内部構造は前述のとおり、とても複雑で電気系統は水に弱いもの。正しいお手入れは、「力を入れずに優しくふき取る」。まず、エアコン上部のホコリをきれいにふき取ります。現在の壁掛けエアコンは、全て上側から空気を吸い込む構造になっています。上部にたまったホコリを除去することでエアコン内部に汚れが入るのを防ぐことができます。また、吹き出し口や風向きルーバー(風向きをコントロールする羽の部分)汚れは、スポンジや絞った雑巾などで軽くふき取る程度でOKです。歯ブラシにウエットティッシュなどを巻き付けてこする時も、優しく決して力を入れてゴシゴシしないように。お手入れをする際には、くれぐれもエアコンの電源プラグを抜いておくことを忘れないようにしましょう。
絶対に手を付けてはいけないパーツは?
フィルターを外すと、奥に見える金属板にたくさんホコリが…。気になりますよね。この部分はアルミフィン(熱交換器)と呼ばれる精密で繊細なパーツです。絶対に触らないようにしましょう。市販のエアコン洗浄スプレーを吹きかけるのもNGです。洗浄剤が残って悪臭の原因になるなど逆効果になることが多いからです。さらにもう一つ、手をつけてはいけない部分がエアコンの吹き出し口から奥にある送風ファン。この送風ファンのカビ汚れを無理やり拭き取ったりこそぎ落とそうとしたりすると、こびり付いた汚れが中途半端に剥がれて、それらが運転したとたんに室内に大量に飛んでくることに。エアコン内部のお掃除は、プロにお任せしましょう。
終わったら、作動確認と電源プラグを抜く
お手入れの最後は、「暖房」機能の作動確認です。きちんと動くことを確認したら、電気代節約のためにエアコンの電源プラグをコンセントから抜いておきましょう。エアコン内部へのホコリの侵入を防ぐために、エアコンカバーをかけておくとベターです。次のシーズンで暖房を使う時は、必ず電源プラグをさして通電後、最低5時間程度待機させてからエアコンを稼働させるようにしましょう。電源プラグを繋いでからすぐにスイッチを入れてしまうと、コンプレッサーに大きな負荷がかかってしまうので注意しましょう。
夏の終わりの時期に、暖房シーズンのために正しくエアコンをメンテナスしておけば、メリットいっぱいです!