梅雨時は、湿気や汗を含んだ布団が気になります。でも、外は雨。住宅事情で外干しできないことも。布団は睡眠の質を左右します。そこで今回は、梅雨時の布団の効果的な室内干し方法、誤解の多いダニ退治についてご紹介します。
羊毛や羽毛は、むしろ室内干しがベター
布団がなんとなく湿って重たくなってきたのに、なかなか干せない…。そんな時でも工夫すれば、室内でも布団は干せます。曇りの日ならば、住まいの中で日当たりのいい部屋の窓際などに、布団を掛けて置くだけで大丈夫。雨が降り続き室内も湿気が充満しているような時でも、エアコンのドライ運転や除湿器を使う、扇風機やサーキュレータ―で空気を回せば「陰干し」環境が出来上がります。もともと、羽毛や羊毛などの天然繊維の布団は、直射日光に弱く紫外線によって生地が劣化しやすいため、陰干しが推奨されています。むしろ室内干しのほうがおススメなのです。
椅子やソファ、テーブルに掛けて広げる
干す時のポイントは、「床面から離す」「重ねずに1枚ずつ広げて掛ける」の2点。干す時は、竿やランドリースタンドなどを利用しましょう。布団の湿気を飛ばすには、外側(上)と体に触れている側(下)の両面に風を通します。室内が狭くて物干し竿が使えない、あるいはコンパクトなランドリースタンドがないなどの場合は、椅子やソファの背もたれ、テーブルに広げて掛けましょう。
素材によって、干す頻度と時間は違う
干すタイミングは、中綿の素材によって変わります。綿や化繊は汗や湿気を吸収しやすいため最低でも週に1回、一方の羊毛や羽毛は2~3週間に1回程度干すのがベターです。この時期の部屋干し時間の目安は、3~5時間。たとえば、室内に布団を干して外出、夕方や夜帰宅後にベッドや押し入れに戻せばOKです。室内に布団を干すスペースがない時は、次の方法で。まず、床やベッドに敷いた状態で布団の上から半分をめくり、布団の内側を触れさせます。数時間したらめくった部分を戻して、今度は下半分をめくります。これで、掛布団も敷布団も、敷きっぱなしの状態から少しでも湿気を飛ばすことができます。
ダニ退治なら布団乾燥機、叩けば逆効果
ところで、よくある誤解が、天日干しでダニ退治できるというもの。天日干しによってダニが嫌う湿度の低い環境をつくってその活動を抑えることはできても、死滅させることはできません。ダニの死滅には、50~60℃以上の環境が必要です。そのため、布団乾燥機の高熱乾燥が効果的。ただし、羽毛は高温に弱いので、「羽毛布団モード」などに切り替えて、布団の中が高温になり過ぎないように注意しましょう。また、ダニの死骸はダニの餌になるので、乾燥後は掃除機でダニの死骸やフンをしっかりと丁寧に取り除きましょう。取り込む時に布団を叩くのもNG! ダニはハサミ状の手で中綿の繊維をつかんでいるので叩いてもダニが表面に出てくることはありません。逆に、ふとんの中心に逃げていったり、死骸が砕けて広がったり、さらに、叩くことで布団の繊維がちぎれてしまうなどデメリットだらけ。布団の表面のゴミや汚れは、叩かずにざっとなでて落としましょう。
さあ、今年の梅雨は、ふかふかの布団で快適に過ごしましょう。