窓を開けると爽やかな秋の風。でも、外からの音や外に漏れる音が気になることも多くなりますよね。そこで今回は、住まいの音のイライラを解消する効率的で効果的な「防音」のコツと、最新のアイテムを使った対策や簡単で便利な方法などをご紹介します。
防音対策は「遮音」と「吸音」
一口に住まいの防音といっても、外の音が室内に入るのを防ぐことと、室内の音が外に漏れるのを防ぐことの2つがあります。具体的な対策は、「遮音」と「吸音」です。遮音は、鳴っている音を反射させることで外に漏れるのを防ぎます。吸音は文字通り音自体を吸収する方法です。遮音によって室内に音が反射されるようになり、吸音によって室内で反射する音自体が小さくなります。
ポイント1:気になるのは「どこのどんな」音?
対策を行う前に、まず、「音」の確認です。
●気になるのは「漏れている音」?それとも「入ってくる音」?
●気になるのはどんな音?
●気になるのはどこから漏れている音(入ってくる音)?
次に、対策する場所を選びましょう。たとえば、階下への音漏れ対策であれば「床」、お隣への音漏れ対策ならば「壁」、外への音漏れや外からの騒音対策であれば「窓」。どこから(どこへ)の音に対する悩みを軽減したいのかを決めて、余計な出費や無駄な作業を減らして効率的な対策をしましょう。
ポイント2:遮音だけでなく、吸音も!
しっかり防音したいならば、「遮音+吸音」で対策しましょう。たとえば、壁に遮音シートを取り付けただけでは、反射した音が室内に反響してかえってうるさくなった…というようなことも。そんな時は、反射音を吸音材で柔らかくして軽減する、「遮音+吸音」の対策がおススメです。現在、「防音シート」として市販されているものの多くが、「遮音シート」です。防音アイテムを購入する時は、商品特徴をしっかりと確認しましょう。
ポイント3:隙間をなくしてきっちり
せっかく防音をしても、「隙間」があればそこから音は漏れていきます。シートやパネルなどの防音アイテムは、隙間のないようピッタリきっちり貼る、あるいは敷き詰めましょう。
簡単装着できる、便利な防音アイテム
●床への対策
床に響く音には、「軽量衝撃音」と「重量衝撃音」があります。ここで気を付けなければならないのは、床を走り回る音・ジャンプする音・椅子を引く音・重いものを落とした時などに出る「ドタドタ、ドスン、ガタン、ドーン」という重量衝撃音は自力での対策が難しいこと! 振動が建物(固体)自体に広く伝わってしまうためです。スプーンの落下音やスリッパの「パタパタ」音など比較的軽く高い「軽量衝撃音」であれば、防音アイテムで軽減しやすく、普通のカーペットやラグ、また畳にもある程度効果があります。防音カーペットの場合は、厚みが増すほどに効果も重量も増します。扱やいやすいパネルタイプのものであれば床に敷き詰めるだけで手間いらず。自由にカットできるものや水洗いOKで消臭効果ありのものもあります。
●壁への対策
壁を傷めない、貼ってはがせる壁紙タイプの防音シートには、高密度ポリエチレンフォーム製で水や油汚れにも強いもの、またタイル模様や木目調などさまざまなデザインのものがあります。遮音シートと吸音剤を併せて使用する場合、加工も装着も簡単な吸音パネルがおススメ。サイズや色も豊富です。壁一面の作業は大変!という人には、サイズオーダーできる遮音材+吸音剤のワンタッチパネルもあります。
●窓への対策
特殊な素材と織の防音カーテンにも遮音と吸音の2つのタイプがあり、効果は重量に比例します。選ぶ時には使い勝手やカーテンレールの耐荷重を超えないよう重さのチェックを忘れずに。また、防音カーテンが効果を発揮するのは、主に空気中を伝わって耳に届く人の話し声やテレビの音などの中高音域の音です。電車や工事などの低音域の音は固体を振動させて衝撃となって伝わるので、防音カーテンのみでは効果が弱まります。
手軽な防振シートや防音テープも活躍
夜は音が響きやすくなります。壁を伝って反響する家電の音を防ぐため、壁側には音の障害物になる大きめの家具を配置しましょう。また、音の出る家電は壁から離して設置しましょう。防振シートや防振ゴムを家電と床の間に敷くと、モーター音の防止になります。ドア・窓などの隙間から漏れる音には、ウレタンなど防音性のある素材のテープが便利。防音対策としてはもちろん、隙間風や害虫の侵入も防いでくれますよ。音の感じ方は人によってさまざまです。住まいの環境、音の発生源、音の種類、音域などによっても防音の対策や効果は変わってきます。空気が澄んでくる秋。ご自身やご家族にぴったりの快適な音ライフを見つけてください。