夏、帰宅後に靴も靴下も脱いで裸足になる…ホッとしますよね! 実は裸足になって過ごすことは、現代人には非常に重要なのです。今回は、裸足のたくさんの効能と、裸足にひんやり快適な畳やイ草アイテムを使った、夏の涼やかな住まいの過ごし方のご紹介です。
裸足で過ごす時間が、姿勢・運動神経・脳にも大きく影響
現代人は、一日の多くの時間、足を靴の中に押し込めています。その結果、足のアーチを形成している骨がほとんど機能しない状態になっているのだとか。足の裏の筋肉をうまく使うことができず、そのことがさまざまな体の支障にもつながっています。足の裏は「第二の心臓」とも呼ばれ、全身のツボがある場所。室内で裸足になることには、実にたくさんのうれしい効果があるのです。
①血流の改善につながる
足裏には多くの毛細血管があります。裸足で歩くことで足の筋肉が使われ、血液を心臓に押し上げる「血管のポンプ作用」を促進します。血液が全身をめぐって冷え性改善や代謝の促進につながり、血流改善、体内の老廃物排出、疲労回復などの効果が期待できます。
②体幹、運動神経の発達に影響
裸足で足の指を使って床を踏みしめて歩くと土踏まずが形成され、体幹が鍛えられます。土踏まずは、立った時のあらゆる運動の制御と運動神経の発達に大きく影響しています。特に、子どもにとっては裸足になることがとても大切なのです!
③リラックス効果
足の裏にはたくさんの副交感神経が走っています。副交感神経は、寝ている時やふっと力の抜けた時に働く神経です。裸足で床を踏みしめて歩けば副交感神経も刺激されます。そのためリラックス効果を得られます。
④姿勢矯正
裸足で床をつかむように歩くことで、身体が安定して筋肉や関節への負担が減ります。その結果、猫背、肩凝り、腰痛、巻き肩、ストレートネックなどの改善や解消効果も期待できます。
⑤脳の成長にも良い
足裏からの刺激は、脳の成長や記憶力にも影響があります。2016年、米・フロリダ大学心理学部で靴着用と裸足で走った後に記憶力のテストを実施。両者を比較したところ、裸足で走った後の方が16%も記憶力がアップ!足裏の刺激は脳の働きも活性化するようです。
夏の室内を涼しくする、裸足に気持ち良い「畳」
そんなイイこと尽くめの裸足で過ごす、夏にピッタリの住まいアイテムといえば、「畳」ですよね。天然のイ草素材の畳は「呼吸」しています。イ草のスポンジ状の断面から湿気を吸収して稲わらの空洞部分が湿気を放出します。天然イ草の畳は1枚で500㏄の湿度を調整する働きがあり、化学物質を吸着する空気浄化作用も。畳の表面が含んだ空気によって「断熱効果」も生まれるため、夏の暑い日、ひんやりとしたさわやかな感触を与えてくれるのです。近年は、和室のない住まいのために、夏の間だけリビングの一画に和のスペースをつくる「置き畳(ユニット畳)」が人気です。置き畳は持ち運びが簡単。デザインもサイズも豊富に揃っており、お部屋の広さや他のインテリアに合わせて選ぶことができます。中には、防菌防臭加工や防ダニ加工をはじめ滑りやすいフローリングの上に設置してもズレにくい滑り止め加工など、便利な機能が搭載されているものもあります。置き畳の代わりに、フローリングにイ草素材のラグやカーペットを敷くのもおススメです。足指全てが開放されている草履タイプのイ草スリッパを履いて過ごすのもいいかも。
和紙や樹脂のイ草アイテムなら、お手入れ簡単
天然のイ草の問題はお手入れ。便利機能無しのシンプルなイ草アイテムは水や汚れに弱く、現代の高気密住宅ではこもり過ぎた湿気によってイ草にカビやダニが発生してしまうこともあります。ならば、樹脂など化学繊維のイ草風アイテムやグッズを活用しましょう。たとえば、置き畳にも、表素材に天然イ草だけでなく和紙やポリプロピレン(樹脂)を使用したものがあります。和紙を使用した置き畳の中にはイ草と見分けがつかないほどクオリティが高いものもあり、カラーバリエーションはイ草よりも豊富です。耐久性があり水分に強くカビやダニの発生を防ぎやすいのもうれしいところ。樹脂製のものは色あせしにくい上に摩擦に強く和紙同様耐久性にも優れています。樹脂や化学繊維のイ草風のラグやカーペットならば、汚れが気になったらザブザブ水洗いもOK。イ草素材のものより軽く、見た目や感触はイ草そのものなのでイ草の雰囲気を十分楽しめます。天然イ草に比べると耐用年数は短いものの、お値段もリーズナブル。汚れにも強くなっています。さあ、暑さ本番のこれから。裸足で涼しく過ごしながら足裏をしっかり鍛えて、心身をチャージしましょう。