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2022年5月のイエタンコラム
お金をかけずにできる、簡単で効果的な除湿

ジメジメした梅雨は、人の健康だけでなく住まいも要注意。油断すると壁や床、天井内に結露やカビが発生、柱が腐食するなどの事態も!?そこで今回は、エアコン等を使わずにできる、雨の日も効果的な「換気」のコツとペットボトル簡単除湿法をご紹介します。

人と住まいに最適な湿度は「50%前後」

人と住まいに最適な湿度は「50%前後」

近年は、室内にいても熱中症になってしまう危険性が指摘されるようになりました。湿度が高いと汗が蒸発せずに体内に熱がこもり、体調を崩す原因となってしまいます。人が快適に過ごせる湿度は、夏は50%~60%、冬は40%~50%度だと言われています。ダニやカビの発生は湿度60%以上から始まり、80%で一気に繁殖! 人と住まいの両方にとって健康的なのは、年間を通じて「平均湿度50%前後」に保つことなのです。

とにかく湿気を逃がす、そのためのコツ

とにかく湿気を逃がす、そのためのコツ

簡単・手軽な除湿といえば、「換気」です。住まいの内と外の空気を入れ替えることで、湿度が下がりやすくなります。特に近年の高気密・高断熱構造の住宅は、一度湿気が発生すると逃げにくくなっています。より頻繁な換気が必要なのです。でも、その換気、単に窓を開けて終わり、ではなく、実は湿気を効果的に逃がすための大切な「コツ」があります。そもそも湿気はどこからくるのでしょうか? 窓を閉めていても、湿気を含んだ外気が天井や壁、床など建材を通して入り込んできています。キッチンや浴室、トイレなどの水回りからも湿気が発生しています。この溜まった湿気を外に出すには、室内に空気が流れる通り道をつくる必要があります。ポイントは次の3つです。

①風上を入口、風下を出口に設定
最初に窓を少しだけ開けて、カーテンなどの揺れから風の吹いている方向をチェック。風上を入口、風下を出口に設定しましょう。

②風の入り口は狭く、出口は大きく!
窓を開ける際、風の入り口側の窓の幅を狭めましょう。入ってくる風の勢いが強くなり、空気が流れやすくなります。反対に、出口として使う窓は大きく開けます。そうすることで、室内の空気が勢いよく外へ出ていきます。

③同じ階の窓を2カ所以上開ける
同じ階にある窓を、できれば2カ所以上開けて、室内に風が流れる通り道をつくります。この時、部屋の対角線上の窓を開けましょう。でも、雨が降っているのに窓を開けたら、外の湿気が一気に室内に流れ込んで湿度が上がってしまうのでは? いいえ、必ずしもそうではありません。室内を締め切ってしまうと、湿気は逃げ場を失ってしまいます。また、エアコンや除湿器などを作動させていなければ、多くの場合雨の日でも屋外より室内のほうが湿度は高くなっています。吹き込むほどの強い雨でなければ、時々窓を開けて空気を入れ替えましょう。「空気の動かない環境」はカビ発生の重要な条件でもあります。雨の日でも10分程度空気を動かせば、室内の空気がある程度入れ替わります。

換気時に併用して除湿効果を上げるもの

換気時に併用して除湿効果を上げるもの

窓を開けた時に換気扇、扇風機、サーキュレーターなど空気を動かすものを一緒に使うと、換気の効率が上がります。窓が1カ所しかない、1カ所しか開けられない場合にも効果的です。扇風機やサーキュレータ―の使い方にも、次の2つの方法があります。

①窓から外へ向ける
意外に思える使い方かもしれませんが、扇風機やサーキュレータ―の仕組みは、羽根の後ろ側から空気を吸い込んで前方へ押し出すというもの。そのため、開放した窓に向けて運転させると室内の空気を窓から排出しつつ、屋外の空気を効率よく室内に誘導してくれるのです。扇風機やサーキュレータ―を置くのは1カ所だけで大丈夫です。

②天井に向ける
水分を含んだ空気は湿って重くなり、室内の下側にたまりやすくなります。そのため上に向かって空気を送り出すことで、室内全体に空気の循環が生まれます。たとえば、激しい雨や風雨が強くて窓を開けられない日などは、この循環だけでも湿気・カビ対策になりますよ。梅雨の晴れ間のお天気の日には、窓を解放すると同時に押入れやシンク下などの普段空気が流れにくい場所も、扉を開けて換気しましょう。扉が1カ所しかない押入れやクローゼットなども、扉を開けたまま中に向けて扇風機やサーキュレーターで空気を送り、溜まった湿度を外へ出しましょう。

ペットボトルを凍らせて除湿する

ペットボトルを凍らせて除湿する

最後にご紹介するのは、超簡単ペットボトル除湿法です。用意するものは2リットルの「ペットボトル」と「タオル」だけ。7分目まで水を入れて凍らせたペットボトルを部屋に置くと、空気中の水分が冷やされて水滴に戻り、ペットボトルの周りにくっついてきます。ペットボトルが吸着した湿気(水滴)はこまめにタオルでふき取りましょう。水は凍ると膨張しますから、ペットボトルの口いっぱいに水を入れないように注意しましょう。さらに、凍らせたペットボトルに扇風機で風を送ると、ひんやり涼しい風が送られてきて一石二鳥! 氷が溶けたペットボトルは冷凍室に戻して凍らせば、何度でも再利用できますよ。いかがでしたか? この梅雨、簡単で効果大の換気+凍ったペットボトル除湿法。エアコンや除湿機を作動させない日に、低コストで手軽な除湿をぜひ体感してみてください。

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