住まいの顔といえば「玄関」ですよね。玄関は、お客さまを最初にお迎えする場所であり、帰宅時にホッと安心できる場所。なのに、気が付けば三和土(たたき)には靴、ドア周りには傘など物が溢れてはいませんか? 本格的な春を前に、玄関をもっと使い勝手良くすっきりとリフレッシュしましょう!「うちの玄関は暗くて狭いから」という場合も大丈夫。今回は少しの工夫で玄関を美しく「魅せる空間」にする方法をご紹介します。
靴の数を厳選し、ゆとりある収納
まずは靴箱の整理から始めましょう。靴箱への靴の詰め込み過ぎはニオイ、蒸れ、カビの原因にもなります。整理のコツは「定量管理」。いったん靴箱など玄関の収納場所から全ての靴を出し、必要な靴とそうでない靴を分けましょう。この時注意したいのが分別する基準です。「まだ履けるかどうか」ではなく、「いま(ここ数年)使っているかどうか」。冠婚葬祭用などで使用する靴を除き、気に入って買ったけれども数回しか履かずにしまい込んでいた靴、あるいは傷みがひどいけれども愛着があって捨てらずにいる靴などは、この機会に思い切って断捨離しましょう。それでも整理しきれずに溢れた靴は、靴の外箱や整理ボックスなどに入れて室内のクローゼットや押し入れへ。しまう時に外箱や整理ボックスの中に除湿剤や消臭剤を入れておくと次に使う時に快適です。そして、収納する量が決まったら、次は場所決めです。デイリーに使うパンプスやスニーカーなどは取り出しやすい位置にするなど、靴の役割、使う頻度、また使う人によって収納エリア・位置を決めましょう。たとえば、靴箱を家族で使っている場合、「一人一段」収納がおススメです。すっきり整理できる上に、各自が自分の靴を管理する習慣もついて一石二鳥です。
限られたスペースを工夫で使い切る
狭い靴箱も、ちょっとした工夫で収納スペースを増やすことができます。たとえば、100円ショップで購入できるつっぱり棒2本を、靴箱の一つの段の奥と手前に2本設置します。奥のつっぱり棒を手前より低めに取り付けると、上の段と下の段に靴を置くスペースができます。ヒールのある靴はかかと部分を棒にひっかけるとズレ落ちずに収納できます。上下に重ねて収納することで1足分のスペースに2足収納できる便利アイテムも100円ショップで手に入ります。靴箱と壁の間にデッドスペースがある場合、そこにつっぱり棒を取り付ければ新しい収納場所も生まれます。ここに傘やレインコートをかけるようにするとすっきり収まりますよ。
しまって隠す収納から見せる収納へ
玄関周りの整理の鉄則は、「使い勝手」。全て隠してしまわず、表に出しておくほうが便利な場合や使い勝手が良いものは、インテリアとして魅せる演出をしてみましょう。たとえば、扉のないオープンな靴箱の場合、フラットなシューズを市販のシューズハンガーを使って靴ごと棒から吊るせば風通しも良くなります。玄関に小さなかわいいベンチを置いて、座面とベンチ下のスペースを靴置き場に使うのもオシャレです。棚をDIYして、お気に入りの靴をショップのようにディスプレイするのもいいかも。また、たとえば、靴箱の隣や玄関脇に小さな椅子やテーブルを置いてトレーを載せ、そこに毎日使う車や自転車、家の鍵、パスケースなどを入れておくと外出の際に慌てず済みますし、ちょっとしたアクセントにもなります。
明るくくつろぐ空間にする鏡と植物
玄関に大きな鏡を置くと光が反射して明るくなりますし、住まいが広く見えます。玄関に大きな鏡が置けない場合、壁掛けの鏡でも効果は十分。また、季節の花やエアープランツ、観葉植物などのグリーンも玄関に明るい雰囲気を添えてくれます。暗めの玄関には、光が少なくても育つ耐陰性の植物を置きましょう。100円ショップでも手に入る、水やりの手間が要らないフェイクグリーンや流木を上手に飾るのもおススメです。玄関マットを明るい色に替えるだけでも住まいの印象はぐっと変わります。明るい色の玄関マットは、風水でも外からの悪い運気をブロックしてくれると言われています。また、ちょっと手間をかけて三和土(たたき)をクッションフロアで明るい色にDIYすれば、ガラリと大変身させることもできます。
暗さも上手に活用してすてきな空間に
玄関が暗いのは何もマイナス要素だけではありません。暗さを生かせばコントラストをつくり出すことができます。暗い壁には原色のインテリアや花、絵などを飾ればアクセントになります。さらに、そこにスポットライトを当てれば、ちょっとしたギャラリーのようなステキな空間に早変わり。玄関は運の入り口とも言います。曹洞宗「永平寺」の玄関には「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」と書かれた張り紙があります。意味は「わが身(自分の足元に)をしっかりと顧みよ(気をつけよ)」。近年はこれが転じて、「履物を揃えましょう」という意味の標語としても使われています。足元を揃えることは心を揃えること。玄関が美しいと落ち着きますし、人をお迎えしたくなり、気持ちも晴れやかになります。玄関をきれいな空気で満たして春の季節を楽しみましょう。