現代人の活字離れが叫ばれて久しいですが、インターネットの普及でその傾向はますます強まっていると言えます。読書には様々なメリットがあるので、ぜひ習慣にしたいもの。今回はそんなお話です。
様々な力を養ってくれる読書
文化庁の「国語に関する世論調査(2018年)」によると、調査の対象である全国 16 歳以上の男女・1,960 名のおおよそ半数が、一か月に一冊も本を読まないと回答したそうです。今ではインターネットでいろいろな情報をすぐに手に入れることができ、世の中の娯楽もとても多様になっていることが、日常生活から読書を遠ざけている要因になっているのではないでしょうか。インターネットで得る情報の多くは断片的で、どうしても受け身になってしまい、自分でものを考えることを怠ってしまいがちですが、読書には多くのメリットがあります。読書をすると幅広い分野の知識が深まり、今まで知らなかったことを知るきっかけとなって自分の世界を広げてくれます。もちろんたくさんの語句や表現が出てくることから語彙力や表現力、さらには「考える」「感じる」「想像する」といった力も養うことができるのです。また、普段の生活では触れることのない有識者や歴史上の偉人の考え方に出会うことは、新しい発想にもつながることでしょう。それらは、仕事でも企画やプレゼンテーションに役立てることが期待できます。目まぐるしく変化する世の中の状況をインターネットで常にキャッチすることは有益ですが、その反面、氾濫する情報に振り回されることも少なくありません。読書を楽しむことで一度クールダウンし、自分らしい時間を確保することはストレスの解消にもつながるはずです。
読書を上手に習慣化するコツ
読書を始めても「長続きさせる自信がない」「一冊を最後まで読みきることができるだろうか」と感じている人もいるのではないでしょうか。そこで、読書を上手に習慣化させるコツをご紹介しましょう。まずは、気軽に読めそうな本を選ぶこと。自分の興味があるジャンルで、ページ数が少なかったり、挿絵や写真がふんだんに掲載されていたり、「これなら読み進められる」と感じる本からスタートすることをオススメします。一冊を読みきるという成功体験を積み重ね、読書の面白さを感じるようになったら、厚い本や少し難しそうな文学作品、専門書などにもチャレンジするというステップを踏んではいかがでしょう。また、毎日の読書時間を決めてルーティン化すると日常生活に定着しやすくなります。通勤・通学の30分間、ランチの後の15分間、就寝前の10分間といった形で、短時間でも良いのでとにかく毎日続けることが大切。もちろん目が疲れている時などは「今日の読書はお休み」で良いのです。無理せず気楽に取り組むことが長続きのコツです。
電子書籍アプリでいつでも読書
肌身離さず携帯しているスマートフォンに電子書籍アプリをインストールしておけば、ちょっとしたすき間時間などに読書を楽しめます。紙の書籍では持ち歩きや読み終わった後の扱いに不便さを感じるかもしれませんが、電子書籍であればその点もクリアできます。最近では、月額定額で本が読み放題というサービスも増えてきているので、読書のペースが早くなってきたら、そうしたものを利用してみても良いでしょう。
読書を身近なものにしてくれる図書館
読書をするのは良いけれど書籍代が気になるという人は、ぜひ公共の図書館を利用してみてください。無料だと思えば、少しハードルが高いと感じる内容の本にも気軽にチャレンジできます。途中で挫折しても金銭の負担がないわけですから。また、返却の期限が決まっていることから、例えば貸出期間のローテーションで一冊ずつ読んでいくという習慣をつくることもできます。
人生を深めるための読書法とは
せっかく大切な時間を利用して本を読むのだから、何かしら人生の役に立てたいもの。そこで、読書を有意義なものにするために意識したいこと、行ってほしいことをお伝えします。一つは目的をもって本を読むこと。そこから得た知識をどのように役立てたいかをはっきりさせておいたほうが、本の中に潜んでいる自分に必要な知識や情報を見つけやすくなります。そして、感銘を受けたワード、これは必ず身につけたいと考えられる知識はメモしておくと良いです。ただし、読書中にメモをとるのは面倒でしょう。いつも付箋を巻末などに挟んでおいて、チェックしたい箇所にさっと貼るようにすれば、そのまま本を読み続けることができます。また、一冊の本を一回だけ読むのではなく、しばらくたってからもう一度読んでみましょう。それによって改めて気づくこともあるはずです。深まる秋が色とりどりに野山を飾るように、ぜひ読書で暮らしを彩り豊かなものにしてください。