近年、大型台風が日本各地に甚大な被害をもたらすケースが増えています。本格的な台風シーズンを前に、強風や洪水から住まいや家族、マイカーなどを守るための備え、さらに万一避難しなくてはいけなくなった時の心得などをご紹介したいと思います。
台風情報をしっかりチェック
地震や竜巻などのように突発的に発生する災害とは違い、台風の場合は進路や勢力を予測することができます。まずは「敵の動き」を知ることが大事。テレビやラジオ、あるいはインターネットで気象情報をチェックしましょう。特に、気象庁が台風や大雨の警報・注意報を発表している時は不急不要の外出を控え、外出先にいる場合は早めに帰宅することを心掛けたいものです。
窓回りのガードを固める
住んでいるエリアが暴風域に入る恐れがある場合などは、窓ガラスをしっかりガードする工夫が必要です。飛んでくる小石や木の枝ばかりでなく、風圧だけでもガラスが割れる可能性があります。雨戸があれば閉めておき、雨戸がない窓は外側から段ボールで補強すると良いでしょう。かなりの強風が予想される場合は、外から板を打ち付けて強力にガードします。また、ガムテームをガラスの表面にバツ印で貼れば、割れた際に飛散を防ぐことができます。その際、紙のガムテープでは剥がす際に跡が残ってしまうので、布テープや養生テープを使用することをオススメします。カーテンも閉めておけば、室内に破片が入ってくるのを防ぐことができます。なお、窓ガラス用の飛散防止フィルムも市販されているので、普段から貼っておけば安心です。
屋内への水の侵入を防ぐ
豪雨などの影響で道路が冠水し、川のようになった映像をニュースでよく目にする昨今。近くに河川がある場合、住まいが床上あるいは床下浸水するリスクは高く、万一の際の対策を考えておくべきでしょう。特にドアやサッシをしっかり閉めていたつもりでも、室内が水浸しになってしまうことがあります。原因の一つは「すき間」。ドアやサッシにすき間がないか点検し、見つかった場合はタオルや新聞紙を詰めて塞ぎます。また、土を詰める必要がなく水に浸すだけで膨張する緊急用の土嚢もホームセンターなどで市販されています。使用前はあまり場所をとらないので、浸水が心配な場合は常備しておいても良いかもしれません。それだけの準備をしても屋内に水が浸入してしまうことを想定し、水に塗れると困る家財や電化製品は、タンスの上などの高所や2階・3階に移動させます。また、漏電防止のため低い位置にあるコンセントはできるだけ抜いておくようにしましょう。
屋外にある物もきちんと整理
玄関の外に置いてある傘立てやベランダの物干し竿や鉢植えなど、風で飛ばされそうなものは屋内にしまいます。網戸も念のためはずして家の中に入れておきましょう。しまうだけのスペースがない場合は、ビニールシートをかけたりロープで厳重に縛ったりすることで飛ばされないようにします。背の高い植物は倒しておき、シートやネットなどで覆うと良いでしょう。庭木には支柱を立て、排水溝は掃除して水はけをよくしておきたいものです。また、マイカーは前向き駐車で、壁のほうにフロントガラスが向くように停めます。そうすれば、強風で飛んできた物でフロントガラスが破損するリスクを抑えることができます。
被災した後の行動を想定する
大型台風が到来して、家の中から出られなくなったり、避難しなくてはならなくなったりした時のことを想定し、その準備をしておくことも大事です。まずは事前に役所などでハザードマップを入手しておき、近隣の危険な箇所や避難場所・経路をチェックしておきましょう。また、停電や断水が発生した時の対策も重要。懐中電灯やラジオは正常に作動するか、予備の電池はストックされているかを確認します。スマートフォンのバッテリー残量チェック、モバイルバッテリーの準備も忘れずに。飲み水は最低3日分を用意。さらに、お風呂や洗濯機にも水を張っておけば、食器洗いや洗濯、そしてトイレを流す時に役立ちます。食料も5日分程度のインスタント食品、レトルトの食品、缶詰などをキープしておくと良いでしょう。屋外に出られる状況になっても、商品の流通がストップして入手しにくくなる可能性があるからです。
台風が接近したら落ち着いて行動
近隣にある河川の様子を見に行って被害に遭う人もいますが、台風が接近したら情報はテレビ・ラジオ・インターネットなどで入手するようにし、とにかく外出は控えるようにしましょう。そして、大規模な災害になる可能性が見えたら、早めに安全な場所へ避難することをオススメします。火の元やガスの元栓、戸締りを確認し、持ち物は最小限に抑えて行動しやすいようにします。台風が去った後、大切な人たちと笑顔で再会し、今まで通りの生活が遅れるように、まずはご自身を守ることを最優先してください。