快適な暮らしを楽しむために、また住まいを長持ちさせるためにも、設備に不具合がないかを定期的に調べることは大切です。水回りや床・階段などの室内設備、屋根や外壁などのエクステリアについて、点検の仕方やチェックポイントをご紹介します。
自分の体のように住まいの健康にも気を配る
自分の健康についての意識は高く毎年健診を受けている人も、住まいの健康には無頓着というケースは少なくありません。人の体と同じように住まいも経年によりあちこちに傷みや不具合が生じてきます。気づかずに悪化させてしまうと、快適な生活に支障をもたらしたり、修理のために大きな費用がかかったりすることも。長い歳月にわたって気持ちよく暮らしていきたいのなら、定期的に住まいの健康状態をチェックするべきでしょう。特に、マンションの場合は概ね室内設備を意識していれば済みますが、戸建ての場合はエクステリアにも気を配らなくてはなりません。チェック項目が増えてしまい面倒と感じるかもしれませんが、定期点検を習慣化することで快適生活を長く楽しんでほしいものです。
チェックシートを作ってこまめに「点検」「記録」
住まいのあちこちを巡りながら「汚れや傷はないか」「腐ったりガタついたりしていないか」「正常に動作しているか」などを何となくチェックしても、見逃してしまう点があるでしょうし、継続的に状態を把握していないと長い歳月にわたって快適さや正常な動作を保つのは難しいと言えます。まずは設備ごとに何を点検すればよいのかを表に整理して、チェックシートを作成します。それを何枚かコピーして、日付とともに点検結果を記入していきます。毎月や3ヶ月に1回というペースでは重荷になるので、点検は半年おき、あるいは1年おきでもよいでしょう。この方法であれば、不具合が見つかった設備について、いつ修理を行ったのか、その後の経過はどのようだったかなどの記録も蓄積していくことができます。「点検」「記録」を習慣化すれば、どの設備はどのくらいのペースで修繕・交換するべきかなども把握できるようになるでしょう。それでは、次に設備別のチェックポイントを解説します。
室内は水回りや床、階段、建具までしっかり確認
まずは室内設備。キッチン、浴室・洗面所、トイレなどの水回りについては、「傷・汚れ」「サビ・割れ」「ガタつき」「劣化・腐食」「異臭・異音」「水漏れ」「排水つまり」「動作不良」といったところがチェックポイントになるでしょう。特に、電気・ガス設備が多用されている箇所でもあるので、それぞれの耐用年数を把握しておくこともオススメします。うっかり耐用年数をオーバーしたまま使い続けることはよくある話ですが、いきなり動作が止まると生活に支障をきたします。計画的に交換することも考えたほうがよいと言えます。その他の室内回りでは、壁の「傷・汚れ」、天井の「汚れ・はがれ・浮き・反り」、床やカーペットの「傷・汚れ・浮き・めくれ・たわみ」、タイルの「欠け・割れ□・目地不良」、畳の「キズ・汚れ・へこみ・縁ほつれ」、障子や襖の「汚れ・破れ・ガタつき」、壁紙の「汚れ・めくれ」、階段や手すりの「ガタつき」、照明の「動作・明るさ」などをチェック項目に入れます。特に、床や階段、手すりなどは不具合があると、つまづきや転倒などにつながるので慎重にチェックしたいところです。
エクステリアの点検は安全に配慮してプロの起用も
屋根や外壁、門扉などは雨風にさらされるため、知らないうちにひどく汚れたり大きなダメージを受けたりしていることがあります。特に屋根の状態は下から見えないだけに把握しにくいですが、金属屋根の場合でも20年から30年に一度は葺き替えたほうが良いと言われており、そのタイミングもつかんでおくとベターです。屋根が傷んだまま暮らし続けて、台風が来たとたんに大きく破損して雨漏りするようでは困ります。基本的にエクステリアも「汚れ」「傷」「欠け」「はがれ」などをチェックしていきます。窓や雨戸については、「ガタつき」についても確認する必要があるでしょう。ただし、屋根や高い場所の壁については安全のために点検はプロに任せるべきです。健やかに暮らすための点検で怪我をしたのでは元も子もありません。
火災報知機についても忘れずに電池交換を
2006年6月に既存住宅も含めたすべての住宅に火災報知機を取り付けることが義務化されましたが、電池式のものについては、もしかすると電池が寿命を迎えて作動しなくなっている可能性があります。めったに作動しないものだけに気づきにくいのです。そこで、正しく動くかテストしてみて、電池切れの場合は速やかに交換しましょう。もちろん火災報知機の取り付け自体を行っていない住まいは早急に設置するべきです。住まいの点検項目は多岐にわたりますが、点検を行う中で新たに気づくポイントも出てくるかと思います。まずは実行してみて経験値を高めていくことが、快適な住まいの状態をキープしていくことに結びつくのではないでしょうか。