いま空前のランニングブームと言われています。自分のレベルで楽しめるし、装備にこだわらなければ費用もかからないことから、始めやすく習慣にしやすいスポーツなのかもしれません。今回はそのランニングにスポットを当てたいと思います。
ウォーキングやジョギングより高い健康維持・増進効果
足を使う運動として、ランニングのほかにも、ウォーキングやジョギングがあります。いずれも有酸素運動になり、健康上の様々な効果が期待できます。ウォーキングは「歩行」ですが、「走行」としてのジョギングとランニングの違いはスピード。ランニングは1時間に6.4キロ以上走る程度の速度で、それ以下ならジョギングなどといった諸説がありますが、本人の意識として早く走るかゆっくり走るかの違いとも言われます。当然個人差はありますが、激しい運動のほうが消費カロリーは多くなるので、単純に考えればランニングは健康の維持・増進に対する効果もより高いと考えられます。さらにランニングの場合、近年は日本全国でマラソン大会が多数開催されているため、大会出場を目標にすることで走ることへのモチベーションがより向上し、継続化・習慣化しやすくなるというメリットもあります。
様々な効果がある反面、逆に健康を害するリスクも
それでは、ランニングによって具体的にどのような効果がもたらされるのでしょうか。まず有酸素運動で心肺機能が強化され、血流の改善などが期待できます。脂肪の燃焼にもつながることから、ダイエットや生活習慣病予防を目的にランニングを始める人も多いようです。筋力や体力も向上するので、ランニングを始めることで疲れにくくなったり風邪をひきにくくなったりしたという声も聞かれます。さらに運動することはストレスの発散にもなるでしょう。ただし、けっして良いことづくめではありません。膝をはじめ足腰に負担がかかるし、体温が急激に上がることで残暑の時期はまだまだ熱中症の危険性もあります。自身の体調や気温などを考慮のうえ、その日に走る距離やスピードを検討したほうが良いでしょう。もちろん、普段あまり運動をしていない人が急に激しいランニングをすることは避けるべきです。運動不足の場合は、ウォーキング→ジョギング→ランニングというステップを歩むのがベターと言えます。
背筋まっすぐでアゴを引くのが理想的なランニングフォーム
マラソン大会で上位入賞を目指すといった目標がないのであれば、特別なスキルを身に付ける必要はないかもしれません。ただし、体にダメージを与えるようなことがないように、正しいフォームで走ることをオススメします。よくありがちなのは、息が苦しくなってアゴが上がり、背中を丸めてしまうこと。すると、逆に呼吸がしにくくなりスタミナをより消耗しやすくなるし、前かがみでは上半身の重さによりバランスが崩れて腰や膝への負担が大きくなります。アゴはできるだけ引き、視線は足元ではなく5メートルくらい先を見る感覚で背筋をまっすぐ伸ばせば正しいフォームで走ることができるでしょう。
高価なものはいらないけれど、最低限の装備は必要
冒頭で「装備にこだわらなければ費用もかからない」というお話をしましたが、ランニング中に最低限備えておいたほうが良いと思われるアイテムをご紹介します。まずストップウォッチ機能が付いた腕時計。ジョギングではなくランニングという意識で走るのであれば、走破タイムも気にしたいところ。ただし、高価なものは必要ありません。ホームセンターなどで1000円前後から販売されているので、できるだけ小型・軽量のものを選びましょう。また水分補給のためのボトル、もしくはパウチタイプのスポーツドリンクなどは季節に関わらず携帯しましょう。気温が高く汗をかきやすい日は、塩分タブレットもお忘れなく。おサイフやスマートフォンなども含め備品を持ち歩くためのウエストポーチもあると便利でしょう。また、スマートフォンを腕に装着するアームバンドなどを利用すれば、持ち物の重さを分散させることができます。服装は速乾性、通気性、伸縮性に優れたものがベター。走ると体が熱くなるものなのでランニングシャツや半袖、半ズボンで走る人も少なくありませんが、冬場は体が冷えてしまうので長袖・長ズボンで、気温や風の強さに合わせてウィンドブレーカーの着用もオススメです。
楽しい習慣にするためにも歩行者優先、交通ルールは厳守
夜間に走る場合は、自動車や他の歩行者から認知されやすい白っぽい服装にします。腕に付けるタイプのLEDライト、クルマのヘッドライトなどが当たると光る反射タスキなども市販されているので利用すると良いでしょう。マラソンブームの過熱とともに、ランナーと歩行者の接触などのトラブルも問題になっています。特に市街地では歩道を走るケースも多いですが、あくまで歩道は歩行者優先ですから細心の注意が必要です。信号などの交通ルールも厳守。健康が目的のランニングでケガをしては意味がありません。ぜひ楽しく快適な習慣として満喫してください。