私たち日本人にとって、とても身近な飲料である緑茶。体にうれしい効果・効用があることはよく耳にしますが、いったいどんなことを期待できるのでしょうか。今回は、健やかな暮らしの味方、緑茶が持つパワーをチェックしてみたいと思います。
成人病対策の頼もしい味方
現代を生きる私たちの体は、紫外線や排気ガス、そしてテレビやパソコンから放射される電磁波などから、健康上あまりよろしくない刺激を受けています。さらに身から出たサビと言ってしまえばそれまでですが、飲酒や喫煙、不規則で偏った食生活なども体をいじめる要因となっています。そんな環境のもとで過ごすことは、私たちの体内で有害な活性酸素を大量に発生させることにつながっているとも言われています。この活性酸素、文字からすると何となくイキイキした好ましい印象も受けますが、実は老化や動脈硬化を招き、ひいては脳卒中や心筋梗塞、ガンなどのリスクを高めるらしいのです。緑茶にはそんな活性酸素の発生を抑える効果があると言われ、しかもがん予防にも一役買うとされるポリフェノールとカテキン、ビタミン類を含んでいます。また、お茶のポリフェノールには血糖値を下げる効果もあるようです。成人病対策もいろいろあると思いますが、その一つとして緑茶を飲む習慣をつけると良いかもしれません。
口の中から胃腸まで快適・健やかに
緑茶には殺菌作用があるとも言われ、食べ物のカスに付いた細菌の繁殖を抑える上、消臭効果も期待できるので口臭の発生も軽減してくれます。さらに、歯を強くすることで知られるフッ素も含まれているので、虫歯予防にもつながりそうです。飲んだ緑茶が胃にたどり着くと、今度は含有されたタンニンの働きで胃の働きを良くしてくれると言われています。さらには腸の動きも活発にしてくれるから便秘対策にもなるとか。それだけではありません。食中毒の原因となる腸炎ビブリオ菌を撃退する作用もあるそうなので、だんだん暑くなっていくこれからの季節は、食事のパートナーとして緑茶を意識して飲むと安心です。お寿司など生ものと一緒に頂くことが多い緑茶ですが、それは理にかなっているのですね。
美容にうれしいビタミンCもたっぷり
お肌をみずみずしく保つためにビタミンCが活躍することはよく知られています。美容に欠かせないこの栄養素を、緑茶はたっぷり含んでいるのです。特に、ビタミンCは紫外線によるメラニン色素の生成を抑える働きもあるので、夏場のスキンケア対策としてもオススメです。さらに緑茶には老化を防ぐ効果もあることがいま注目されています。そして、ダイエットをしたい人にも緑茶は優しい飲み物と言えるようです。タンニンには脂肪の吸収を抑制する働きがあるからです。もちろん緑茶は砂糖やミルクを入れずにそのまま頂く飲料ですから、カロリーも気にしなくて済みます。まさに、ヘルシーな食生活をサポートしてくれるのです。
緑茶風呂でしっとり美肌づくり
飲料としての緑茶の魅力をお伝えしてきましたが、まったく違う活用の仕方があります。一つは入力剤としての魅力。ガーゼや古いストッキングなどに茶殻を入れてティーバッグ状にします。これを浴槽に入れれば、お肌の保湿効果が期待できる緑茶風呂に変身します。ただし、浴槽に茶渋が付着してしまわないように、入浴後はしっかりお掃除する必要があります。それが面倒ならお湯に浸さずに、茶殻をくるんだガーゼで直接お肌を拭くようにしましょう。
消臭や殺菌の作用を掃除に活かす
緑茶の茶殻は、お掃除の時にも役立ちます。ほうきで掃く前に床や畳の上に散らせば、湿り気があるから小さなゴミやホコリを吸収してくれるし、消臭・殺菌の作用が健やかな住まいの環境づくりに貢献してくれることでしょう。また、茶殻を煮出した汁で床を拭くとツヤも出るので、ぜひ試してみてください。茶殻は台所でも活躍します。レンジ回りの油汚れが目立つところに茶殻を撒いて、布巾でぬぐうように擦れば、油汚れは落ちて消臭効果でニオイもスッキリ。一石二鳥です。
夏はぜひ緑茶をお出かけのお供に
ひと昔前まで、緑茶を楽しむためには急須を洗ったり茶葉を捨てたりと面倒なイメージが付いて回りました。今は違います。お掃除に茶殻を使う場合は茶葉が必要になりますが、飲用が目的であればティーバッグやペットボトルで緑茶を手軽に楽しめるので、夏場は気軽にお出かけのお供にしてはいかがでしょうか。ティーバッグをお湯に浸して煮出したお茶を氷と一緒に保冷ボトルに入れて持ち歩くもよし、ペットボトルのお茶を冷凍して保冷ホルダーで携帯するもよし。水分補給にもなるし、美容の促進や食中毒予防にもなるので、ぜひパートナーにしたいもの。熱中症にも気をつけて健やかに初夏をエンジョイしましょう。