暮らしの中でパスタイムを楽しみの一つにしている方は多いと思います。仕事や家事で忙しい日々、疲れた心と体を癒して明日への活力を養う大切なひとときと言えます。そこで今回は、楽しく健やかな入浴を実現するために知っておきたい知識や情報をまとめました。
副交感神経が刺激される40度前後のお湯に浸かる
湯温を高めに設定すれば体の芯まで早く温まると考え、熱めのお湯に浸ってはいないでしょうか。ところが、副交感神経が刺激されて心と体がリラックスモードに入る温熱効果を期待できるのは40度前後と言われています。あまり湯温が高いと交感神経が刺激され心身ともに興奮状態を招くことになりかねません。「湯上りにもうひと仕事」と気合を入れるのなら別ですが、質の良い睡眠を望むのであれば適温のお湯に10~20分くらいかけてゆったり浸かりましょう。逆に、夏場はシャワーだけで済ませたり、水風呂で暑さをしのごうとしたりすることもあるかもしれません。でも、夏こそ湯船にしっかり浸かって体内の血液の循環を良くしたいところです。思えば、クーラーの効いた涼しい部屋で長時間過ごしたり、冷たいものを食べたりして、体が冷えきっているケースも少なくありません。夏の冷え性は、そのような生活スタイルが原因の一つとも考えられます。そこで、暑い季節は湯温を39度程度のぬるめに設定し、10分以上ゆったりと浸かるようにします。クーラーを多用すると汗をかくことが減り、汗腺の働きも鈍る恐れがあります。発汗による体温の調整を正常にするためにも、お湯にしっかり浸かって汗を流すことを意識的に行いましょう。
入浴の前後には水分補給をしっかりと
当然ながら、季節に関わらずお風呂に入ると必ず汗が流れます。夏場はもちろんですが、寒い日もそれなりの時間お湯に浸かれば水分不足になる可能性はあります。そこで、入浴の前後にそれぞれ最低コップ一杯分の水を飲むように心掛けましょう。しっかり水分を補給して、たっぷり汗をかく。それが健康的な入浴のスタイルと言えるのです。
好きな入浴剤を使ってリラックス効果をアップ
お風呂好きには「さら湯派」も多いと思います。それでも温熱効果はありますが、入浴剤を使う方法もあるでしょう。血行促進や保湿に加えて、色や香りなどでさらにリラックス状態にエスコートしてくれるからです。昔ながらの柚子湯や菖蒲湯、あるいは炭酸の気泡が立つものなどいろいろなタイプの入浴剤が市販されています。お気に入りのものをいくつか用意し、その日の気分で選べばバスタイムの楽しみがますますふくらむはずです。
肌はごしごしこすらず入浴後のケアも大切に
お湯にゆったりと浸かることは、リラックス効果のほかにも期待できるものがあります。皮膚が水分を吸い込むことで、皮脂や汚れが落ちやすくなるのです。しっかり汚れを落とそうとするあまり、タオルでごしごしと肌の表面を強くこすると傷ついてしまい乾燥も進みます。すでに汚れは落ちやすくなっているという認識で、肌は優しく洗うようにしましょう。また、湯上りにはボディクリームやボディクリームで肌をケアすることもお忘れなく。それは、空気の乾燥が気にならない暖かい季節でも同様です。
バスローブで湯上りのポカポカを保つ
せっかく湯船で体を温めても、湯上りに冷やしてしまっては元も子もありません。吸水性に優れた肌着やパジャマにサッと着替えるのが理想的ですが、だんだん暑い季節になって来ると汗で濡れてしまい、寝る前にもう一度着替えたほうが良いケースもあります。それは面倒なので、バスローブを羽織って肌表面の水分を吸収させる方法が良いかもしれません。体温が低下していくのを防ぎ、また保湿もサポートしてくれるので湯上りのひとときを快適にしてくれます。
いつもきれいな浴槽で快適なバスタイムを
最後に、普段から浴槽のお掃除をしっかりこなして、いつでも快適なバスタイムをエンジョイすることもおすすめします。役立つアイテムは重曹とクエン酸。入浴直後のお湯が入った状態の湯船は、汚れが柔らかくなっていて落としやすい絶好のタイミング。とはいえ、湯上りにお風呂掃除というのもあまり気が乗らないでしょうから、重曹をひと振りして一晩放置します。翌日、お湯を抜いて、重曹を含ませたスポンジで浴槽を優しくこすります。シャワーで洗い流したら、今度は同じようにクエン酸をスポンジに含ませてこすっていきます。これで汚れはかなり落ちることでしょう。最近は設備が整ったスーパー銭湯や健康センターなどが人気になっていますが、やはり生活のベースキャンプである自宅での入浴は大切にしたいもの。普段からの心掛けを大切にし、入浴剤などもいろいろ試しながら、充実したバスタイムを心からお楽しみください。