ケーキなどの生菓子、あるいは土産店などで生鮮食品を購入した時、よく小型の保冷剤が付いてきます。何となく捨てにくくて、とりあえず冷凍庫に入れてしまうけれど、使い道がなくてたまっていく一方……そんなことはありませんか?放置しておくとゴミと化してしまう保冷剤ですが、意外な活用方法があるのです!
吸収ポリマーの特性を活かし消臭剤として利用
保冷剤の使い道としてポピュラーなのは、夏場に手づくりのお弁当を持ち運ぶ際の保冷ではないでしょうか。最初から保冷剤をセットできる構造の弁当ケースもあります。ただし、何度も繰り返して使えて意外と長持ちするので、冷凍庫に眠っているたくさんの保冷剤をそれほど活用することは難しいと思います。話は変わりますが、まずは保冷剤の成分をご説明しましょう。常温ではやわらかなジェル状になりますが、これは吸水性ポリマーという化学製品が水を吸収したもの。紙おむつなどにも使われている素材です。ジェルの表面には凹凸があって、それがニオイの原因になる物質を吸収してくれます。つまり、保冷剤は消臭剤としても利用できるのです。しかも使い方は簡単です。保冷剤を冷凍庫から出して解凍し、小皿などに移し替えてトイレなどニオイを抑えたい場所に置いておくだけでOKです。逆に、寝室などに心地よい香りをさり気なく漂わせたい時は、アロマオイルを保冷剤に数滴たらしましょう。
パッケージに記載があれば除菌剤としても活躍
もしかするとほとんどの方は、保冷剤のパッケージに記載されている注意書きなどを読まれたことがないかもしれません。保冷剤の中には、除菌・消臭剤として再利用できるといったことがパッケージに明記されているものもあります。そのような記載がある保冷剤に限りますが、中身を袋から出して、手洗いをはじめ、まな板や布巾、食材、シンクなどの除菌に役立てることができます。ただし、すべての保冷剤が当てはまるわけではないので、十分に確認してから使用するようにしてください。
冷やしてお肌に当て美容のパートナーに
お肌のお手入れにも保冷剤を活用することが考えられます。凍らせた保冷剤を、洗顔の後に頬や鼻、あごなどに当てて冷やせば、毛穴を引き締める効果が期待できます。ただし、冷やしすぎないように保冷剤をタオルやティッシュペーパーでくるみ、同じ箇所には数秒だけ当てるようにします。もちろん夏場であれば日焼けしたお肌の応急処置や、虫刺されによる腫れやかゆみの症状を緩和することにも利用できます。
冬は温めることでカイロのような使い方も
保冷剤は冷やして使うだけでなく、温めても役立ちます。40℃程度のお湯に数分間漬けて、ハンカチやガーゼなどで包めばカイロとして利用することができるのです。閉じたまぶたの上に当てればアイマスクになるし、肩の上にしばらく置けば血行を促進し疲れやコリを癒してくれることでしょう。注意したいのは、電子レンジで温めると外のビニールが溶けてしまう恐れがあること。できるだけ適温のお湯で温めるようにしましょう。
園芸用品として植物の水やりに活用
意外な使い道としては、鉢植えや花壇の植物への水やりがあります。解凍した保冷剤のジェルを袋から出して、植物の周りに敷き詰めます。水を含んだ吸収性ポリマーは、徐々に水分を放出していき、土の乾燥を抑えてくれるのです。旅行などでしばらく留守となる時、保冷剤はとても重宝します。吸水性ポリマーは植物に害を与える物質ではないとされており、園芸にも安心して使えるようです。
中身の取り扱いにはくれぐれも注意
夏場ではなくても、保冷剤本来の「冷やす」という役割を料理に活かすことも考えられます。たとえば、茹でた野菜や卵などをサッと冷やしてサラダを作りたい時、氷水の代わりに保冷剤を使うといったことです。氷は解ければなくなりますが、保冷剤なら繰り返し使えることも魅力です。なお、小さなお子さんやペットいるご家庭では、保冷剤の袋を破って中身を取り出す際、誤って飲まないように十分注意してください。また、中身をトイレや下水管に流すと水を吸収してトラブルを招くことになりかねません。袋を開封せずに燃えるゴミとして捨てるように心掛けましょう。