「塩分の摂り過ぎは万病の元」と言われることから、塩は健康の敵のように捉えられがちです。ただし、調味料としてはもちろん、熱中症予防の味方だったり、掃除や脱臭に役立ったりと、上手に利用すれば様々なシーンで活躍してくれます。生活をいきいきさせる、その使い道を考えてみたいと思います。
クーラーなしの時間帯を増やす工夫を
今年の夏は全国的に厳しい猛暑に見舞われました。外出中に大量の汗をかくことをたくさんの方が経験されたと思います。汗をかくと水分はもちろん塩分やミネラルも体外に放出してしまうので、血液中のそれらの濃度が低くなり、熱中症を招くことにつながります。ところが、水分補給には気を配っても、塩分の補給まで徹底している人は意外と少ないかもしれません。 最近は様々なタイプの塩分補給用のドリンクやタブレットなどが市販されていますので、お出かけの際にそうしたアイテムを携帯すると良いでしょう。ただし、どうしてもコストがかかるので、手製の食塩水を作って飲むという方法もあります。もちろん塩分を摂りすぎては意味がないので、水1リットルに対して溶かす食塩は1~2グラム程度にします。さらに砂糖を少々加えると塩分の吸収が良くなるのでオススメです。
体にいいこといろいろの食塩水
リンゴは皮をむいてからしばらく放置すると赤っぽくなってしまいます。ところが塩水に漬けておけば、それを防ぐことができるのは有名なお話。塩にはリンゴの酸化を抑える働きがあるので、赤くなるのを防ぐわけです。同じように、人の体も食塩水を飲むことで酸化が抑えられ、低体温を解消するなどの効果があると言われています。摂りすぎに注意すれば、食塩水を飲むことを日常の習慣にするのも良いかもしれません。また、食塩水でのどのイガイガをすっきりさせることもできます。ぬるま湯に塩を少々混ぜてうがいをすれば、お茶でうがいをするのと同じような効果が期待できます。茶葉からお茶をいれるよりも簡単で、ペットボトルのお茶より低コストで済むという利点があります。
一番風呂の刺激も軽減
昔から「一番風呂は体に良くない」ということを耳にします。理由は諸説ありますが、さら湯は不純物をあまり含んでいないために、お湯の熱を直接伝えてしまうのが肌にあまりよろしくないようです。一番風呂に入ると何となくピリピリした感じがするのはそのせいかもしれません。そこで、家族の誰かが一番風呂に入る前に、大さじ1杯の塩を湯船に入れます。するとお湯がまろやかになって刺激が少なくなります。さらに、お風呂のお湯に塩を入れることで保湿や保温の効果が高まるとも言われるので、特に冬場は嬉しい限り。また発汗も促進するので、毛穴の汚れなどが落ちやすくなり美容と健康の味方にも!
インスタントコーヒーの風味が豊かに?
あまりピンとこないかもしれませんが、インスタントコーヒーに塩をひとつまみ入れると、香りが引き立ち渋みが増して、本格的なコーヒーの風味に。酸味がまろやかになっておいしくがアップするので、ぜひ一度お試しください。
まな板の脱臭にも威力を発揮
当然ながら料理で大いに活躍する塩ですが、ほかにも「食」に関連することで威力を発揮するシーンがあります。近年はプラスチック製のまな板を使うご家庭が多いと思いますが、木の感触が好きで木製まな板を愛用している方もいらっしゃることでしょう。問題は、生ものなどを切った後、においがつきやすい点です。そんな時は、まな板に塩を擦りつけて洗剤で洗い落としてみてください。においがかなり軽減されるはずです。このにおい消しの効果はまな板だけでなくビンにも有効です。塩水にしばらく漬けておけば、においがとれやすくなります。
床や畳も塩でスッキリ
塩は掃除にも役立てることができるのをご存じでしょうか。例えば、料理中に生卵をうっかり床に落として汚してしまうことはよくありますよね。すぐ雑巾で掃除しようとしても、汚れをきれいに拭き取りにくかったりします。そこで、新聞と塩をご用意ください。まず新聞で軽く汚れをふき取ります。そこに塩を多めにふりかけ、残った卵と塩を指先で混ぜ合わせます。ヌルヌル感がなくなったら水拭きすれば汚れがきれいに取れることでしょう。また、たばこの灰を畳に落としてしまった時も、同様に塩を使えばきれいに掃除できます。灰の上に塩を盛って歯ブラシでかき出し、掃除機で吸ってしまえば畳の隙間に入った灰もさっぱりと取り除くことができます。強力な洗剤は世の中にたくさんあるとは思いますが、塩の場合、何より「天然素材」という安心感が嬉しいですよね。