夏のボーナス、使い途は決めていますか?「大きな買い物をしたり旅行に行ったりするわけでもないのに、手元にほとんど残らない」とボーナスのたびに首をかしげる人は少なくないのでは?お金を上手に貯めるには臨時収入があった時よりも普段からの心掛けが大切……今回はそんなお話です。
「どうしてお金を貯めるのか」を明確にする
お金を貯めるのが下手な人は、目的をはっきり持たないことが原因かもしれません。何となく貯金はするのですが、将来の使い途がはっきりしていないため「いずれ生活費にしてしまっても良いお金」になってしまうのです。そこで、まずはライフプランをしっかり立てましょう。家族それぞれにいつどれだけのお金が必要になるのか、そのために毎月そしてボーナス時期にどれだけ貯金すれば良いのかを検討することからスタート。そして、その分のお金は生活費とは完全に切り離して考えます。つまり、生活費がどれだけかかるかも予めはっきりさせて、「残ったお金」ではなく初めから貯蓄することを目的にお金を確保します。もちろん人生には病気やケガなどの治療代、冠婚葬祭の費用など予期せぬ出費が生じることもしばしば。そうしたことも想定して、貯めるお金も「将来の資金」と「臨時の資金」に分けておけば安心です。
お金の使い方にメリハリをつける
ただし、お金を貯めることに固執しすぎると、たった今の暮らしが満たされなくなるという心配もあります。ここで一度チェックしていただきたいのは、「暮らしを満たすためのお金の使い方」がきちんとできているかどうかです。もしお金の使い方に「ムダ」があれば、その「ムダ」の部分を貯金に回せば、生活の豊かさを損なうことなくお金を貯めることができるはずです。話は変わりますが、「ケチ」と「節約」という似て非なる言葉があります。何事に対してもお金をかけるのを嫌がるのが「ケチ」。いざという時のために普段はムダな出費を控えるのが「節約」。後者の生き方を選択し、ムダな出費を控え、必要な時には惜しまずお金を使うのであれば暮らしを十分に満ちたりたものにできるはずです。つまり、お金の使い方にメリハリをつけることが大切ということです。
コンビニや100円ショップでのムダ遣いは注意
大きな買い物をするかどうかは強く意識して判断するものですが、日常の小さな買い物は気軽に行ってしまうものです。ただし、チリも積もれば山となるというように、意外と日常のムダ遣いがお金の貯まらない原因になっていたりします。よくありがちなのは、特に目的もないのにコンビニに立ち寄り、ドリンクやデザートなどを頻繁に買ってしまうケース。いつでも開いていて気軽に買い物ができるコンビニは、ムダ遣いの誘惑に満ちあふれています。100円ショップも同じです。本当に必要な商品は2~3点なのに「ついでにアレもコレも」と衝動的に買い足してしまった経験はないでしょうか。あるいは、1点だけの代金を支払うのは何となく恥ずかしいから、さほど必要のない商品を買い物かごにもう1~2点入れてしまうパターン。まさにムダとしか言いようがありません。お金を貯めるのと同じように、お金を消費する時も確かな目的を持って行うべきです。気軽に足を運ぶお店でこそ、強い意志を持って買い物をすることが大切と言えます。
断捨離で「ムダ」に対する意識を育む
不要なものを“断ち”、“捨てて”、執着せずに“離れる”整理法「断捨離」。思い切って行うことで、住まいの中だけでなく気持ちもすっきりするというダブルの効果があります。捨てるのか、それとも捨てずにそのままにしておくか、迷う持ち物は多いと思いますが、強い意志と勇気を持って処分してしまうと、それらがないことで被る不便さはさほどなかったりします。つまり、私たちは気づかないうちにたくさんのムダの中で暮らしているのです。断捨離には二つの効果があるとしましたが、実はもう一つの大きな効果があります。それまでムダなものを大量に購入してきたことを、「捨てる」という行為を通じて実感し、買い物をする際に「必要」「不必要」という判断ができるようになるのです。ムダ遣いをしないことで貯まるお金などたかがしれていると思うかもしれません。もちろん、それが1日、2日のことなら正しい見方でしょう。ただし、今後の人生においてその精神を守り続ければ、1ヵ月3千円の節約が1年で3万6千円、10年で36万円、さらに30年なら100万円を超える節約になるのです。結局、お金を上手に使うことを知っている人が、お金を上手に貯めることができるとも言えるのではないでしょうか。ボーナスが出て一時的に裕福になったからと言って大きな気持ちになったりせず、そういう時こそコツコツとお金を貯めることを考えたいものです。本人はもちろん、家族一人ひとりの明るい未来のために。