空気が乾燥する冬は、肌やのどの粘膜がダメージを受けやすい季節です。特に住まいは長い時間過ごす場所だけに、乾燥対策をしっかり行いたいもの。加湿器をあちこちに置けば解決できますが、お金をかけなくても家の中をうるおいに満ちた空間に変える方法をご提案します。
まずは湿度計で乾燥レベルをチェック
肌が水分不足になると肌荒れを引き起こし、のどの粘膜が乾燥すると免疫力が落ちてインフルエンザなどのウイルスに感染しやすくなるというリスクがあります。それだけに冬の乾燥対策は重要です。まずは家の中の乾燥状態に対する意識を強く持つためにも、湿度計を用意しましょう。今は100円ショップでも温度計と湿度計の機能を持つものが購入できます。湿度は40%以上にすることが一つの目安です。それ以下の乾燥状態だとウイルスが活発になります。さらに肌のことも考えると60~80%に保つのが理想的と言えます。
洗濯物を部屋干しにしてうるおいキープ
毎日のように洗濯をするご家庭なら、洗濯物をベランダなどではなく室内に干せば、お部屋の湿度を上げることができます。冬場は外に干しても乾く効果が期待できる時間帯が限定されてしまうので、洗濯物の出し入れの手間も考えると最初から部屋干しすることは一石二鳥、あるいは一石三鳥かもしれません。それほど洗濯の頻度が高くない場合は、濡れたタオルを室内に干せば同様の効果が得られます。さらに、干した洗濯物やタオルに扇風機で風を当てれば水分が蒸発しやすくなり、室内に湿った空気を循環させることもできます。ただし、湿ったにおいが室内に漂って気になる場合もあるので、市販されている部屋干し用の洗剤や香りのよい柔軟剤を使用するとよいでしょう。また、大量の洗濯物を干すと逆に湿度が高まりすぎることがあるので、洗濯物を複数のお部屋に分散させるか、定期的に窓やドアを開けて換気することも大切です。
水をスプレーするか洗面器に入れて置く
霧吹きで水をスプレーしても室内の湿度を高めることができます。もっとも手っ取り早い方法ではありますが、頻繁に行わないと効果を持続できない面倒くささが難点です。それならもっと手軽に、洗面器に水を入れてお部屋に置くというのはいかがでしょう。最初にお湯を張れば、湯気が出て加湿器のような効果も発揮します。ただし、それなりに場所をとるので、邪魔になる場合はコップを使用します。コップならテーブルの上など、ちょっとしたスペースに置くことができます。また、熱帯魚などを飼っているのであれば、水槽のフタを半分くらい開けておけば湿度アップに貢献します。エアーポンプや水中ポンプを使っているとより効果大です。
観葉植物で目にも肌にもうるおいを
植物は、根から吸い上げた水分を葉から放出する「蒸散」を行います。観葉植物を室内に置いておけば、蒸散によって空気中の水分は多くなると言われます。しかも、葉の大きい植物のほうが放出する水分も大きいようです。洗濯物を室内干しするのは美観的にあまり好ましくありませんが、観葉植物をたくさん置くことは目の保養にもなりダブル効果と言えるでしょう。もちろん冬場は植物も水分を欲しがるので、たっぷり水をあげてください。
入浴後はバスルームのドアを開けておく
お風呂から上がってもすぐにお湯を抜かず、浴槽にフタもせずにしばらくバスルームのドアを開けておきましょう。蒸気がほかの部屋にも広がり、家の中の加湿に一役買います。特にワンルームや1DKなどの狭い部屋であれば、より高い効果が期待できます。参考までですが、この方法は住まいだけでなく、旅行先のホテルの部屋でも有効です。ただし、家の中に蒸気が回りすぎると湿度が過度に高まり、カビ発生の原因になる恐れもあります。バスルームのドアは長時間開けっ放しにせず、一定時間だけ行うようにしましょう。
家にいる時もマスクをする
冬場は風邪予防のため外出時にマスクをする人は多いことでしょう。マスクを着用していると、吸った空気を温めるとともに湿気を与えてくれるので、のどや口の回りのうるおいをキープするのには最適です。ぜひ家にいる時もできるだけマスクをするようにしましょう。寝ている時はもちろん、起きている時ものどをいたわることができます。そもそも室内の湿度を高めることは、やりすぎると外気との温度差で結露を発生させる原因になりますが、マスクならその心配がありません。いかがでしょうか。これらをすべて行うのは大変ですが、できることからやってみて、乾燥を意識した毎日を送ることをオススメします。うるおいに満ちた暮らしを実現することで、2017年の年末、そして新しい年をどうぞ快適&健やかにお過ごしください。