インフルエンザやノロウイルスが流行する季節です。うがいや手洗いを徹底させるのはもちろんですが、室内にウイルスを温存させないための環境づくりも大切です。そこで今回は、風邪をひいたりこじらせたりしないようにするための、住まいでのちょっとした工夫や心掛けをご紹介します。
玄関でコートや手指のウイルスに対処
まずは家の中にウイルスを持ち込まないことが大切。もちろん、すでに感染した人が家族にいる場合は防ぎにくいものですが、たとえばコートなどに付着したウイルスの侵入を玄関で食い止めることはできます。そのために、コートや上着用のフックを玄関に設置してそこで脱ぐようにしたり、洋服ブラシを常に置いておき表面のほこりなどを払い落としてから中に入る習慣をつけたりするとよいでしょう。また、玄関にアルコール消毒剤を用意することもおすすめです。手を洗うよりも短時間で消毒でき、高い効果も期待できるからです。もちろん消毒剤で汚れが落ちるわけではないので、玄関で手指のウイルスに対処したら、今度は洗面所でうがいと手洗いを徹底させましょう。
換気でお部屋の空気をリフレッシュ
寒い冬場はどうしても窓を閉めきりがちで、空気の入れ替えを怠ってしまうもの。しかし、部屋の中は暖房で一酸化炭素や二酸化炭素がこもったり、衣服や布団・毛布などから出るほこりで空気が汚れやすかったりします。汚れた空気を吸うと、気管や粘膜が傷ついて感染症を起しやすくなるというリスクがあります。さらに風邪をひいている人が家族にいれば、くしゃみや咳をするたびにウイルスが部屋中に広がるので飛沫感染する確率が高くなります。最近はウイルスを取り除く空気清浄機が市販されているのでそうしたものを上手に使う方法もありますが、お金をかけなくても、換気扇を動かしたり窓の開閉で空気を入れ替えたりするだけでも効果はあります。しかも、暖房によって乾燥した室内の空気を外気と入れ換えることは、この後にご紹介する乾燥対策にもなるのです。
加湿でウイルスが生存しにくい環境を
その乾燥対策も風邪の予防にはとても重要です。というのも、空気が低温で乾燥している環境ではウイルスが活性化しやすく、長時間にわたって感染力を保つことができるからです。さらに、のどや鼻の粘膜も抵抗力が弱まるため、ウイルスに感染しやすくなります。一般的には、湿度が40%を超えた部屋ではウイルスが生存しにくくなると言われています。さらに60%でウイルスの8割は死滅するという説もありますから、加湿が風邪の予防にどれだけ大切かがわかります。加湿器を利用して湿度を高める方法がありますが、室内に濡れたタオルや洗濯物を吊るしたり、水の入った容器を置いたりするだけでも加湿効果はあります。観賞魚を飼っているなら、エアーポンプや水中ポンプ等を使い、水槽のフタを半分ほど空けておくという方法もおすすめです。また、観葉植物を置いておけば、葉から水を蒸発させる蒸散作用によって自然にお部屋の湿度が高まります。ただし、注意したいのは、加湿しすぎてカビやダニの発生を促さないようにすること。加湿器を使う際は結露が起こりやすい窓のそばなどは避けて、また設定値にも気を配りたいものです。
こまめなお掃除で室内を清潔に
また、言うまでもなく室内を清潔に保つことは、住まいの中でウイルスに感染する可能性を低減させることにつながります。そこで、普段よりもこまめにお掃除するように心掛けましょう。特に、家族みんなが手を触れる、玄関のドアノブ、電話機、電子レンジや冷蔵庫、テレビのリモコン、電灯のスイッチ、そしてトイレなどは入念に。水拭きだけでなく、消毒液などで拭き取るようにするとよいでしょう。なお、フローリングや畳のお掃除も空拭きではなく濡れた雑巾を使うと、ほこりなどの汚れが取れる上に室内の湿度アップにも貢献するので一石二鳥です。
風邪に負けない食材を意識してとる
最後に、風邪の予防のため、あるいは風邪をひいてしまった時にとりたい食材をご紹介します。おすすめは、みかんやレモン(ビタミンCの作用で免疫機能をアップ)、ねぎ(血行をよくして体内にこもった熱を逃がす)、しょうが(発汗、解熱、食欲増進などの作用あり)、大根(咳を止めたり、たんを切る作用あり)などです。冬場はこれらを食生活の中で意識的に増やすのが良いかもしれません。また、万一発熱してしまった時はしっかり水分を補給し、睡眠をたっぷりとって安静にしましょう。それではこの冬、寒さにも負けず、風邪にも負けず、元気にお過ごしください。